Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 皇帝シューマッハ、初めて引退を口にする!
2006年01月08日(日)

 94、95年、そして2000年から2004年まで5年連続、通算7回もF1ワールドチャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハ(フェラーリ)は、これまで数々の歴代記録を塗り替え、もはや残された記録は故・アイルトン・セナの持つ最多ポールポジション獲得回数ぐらいしかなくなってしまったため、そろそろモチベーションが低下し始めつつあるのではないかと囁かれ、これまで何度となく引退説が浮上ししてきました。シューマッハはその引退説が持ち上がるたびに否定し続けてきましたが、何とドイツの「デル・スピーゲル」誌で「もし今年勝てなければ引退する」との衝撃発言を行ったことが明らかとなりました。もちろんシューマッハが引退を公的に口にしたのは初めてのことです。

 シューマッハは昨シーズン、マシンのポテンシャル不足で5年ぶりにF1王座から陥落しましたが、そのことも踏まえ、「マシンには競争力がなければ話にならないよ。もし今年も僕がレースに勝てなくて、そしてタイトルにチャレンジするチャンスがなかったとしたら、僕は自身のキャリアを続ける意義を持たないと思うね。この世界では、立ち止まる余裕なんかないんだ。すべての成功のあと、慢心と不注意とが入り込むもの。
もしわれわれが進歩を望むのであれば、休む暇はない。働き続けなければ……」と語り、今年タイトル争いができなければ引退すると示唆しました。このオフ、シューマッハは年内のオフテストにも自ら参加するという積極性をみせ、2006年シーズンはまさに背水の陣でタイトル奪還に臨むことになります。

 また、フェラーリの関係者によれば、その決断のタイムリミットは今年の夏までであるといいます。シューマッハと言えば言わずと知れたF1史上例を見ない超大物。万一引退ということになればその影響は計り知れず、後釜の擁立も容易なものではないでしょう。チームとしては問答無用でシーズン前半での戦闘力発揮が要求されることになりそうですね。そのためにも今週から始められるテスト、そして月末に予定される2006年新型車の発表に注目が集まります。
 このシューマッハの引退発言は、フェラーリとの契約が今シーズン(2006年)限りで切れることも影響していると思われますが、いずれにしても、今シーズンはシューマッハにとって、そしてF1界にとっては非常に重要なシーズンになりそうです。

 別にシューマッハファンではないがシューマッハがF1史上最高のドライバーであることは認めている僕としては、以前から何度も言っていますように、シューマッハには引退する前に別のチームで参戦して欲しいと思うのですが、熱烈なシューマッハファンの方々はいったいどのような心境なんでしょうね。
 もちろん理想はシューマッハが今年タイトルを奪還し、来年以降もフェラーリで走るのが一番いいのでしょうが、もし万が一シューマッハが今年タイトルを獲れなかったとしたら、僕と同じように下位チームに移ってでもいいから現役を続けて欲しいと思うのでしょうか。あるいは、勝てないシューマッハなど観たくないから、フェラーリ以外のマシンに乗るぐらいなら引退した方がいいと思っているのでしょうか。どっちなんでしょうね。

 いずれにしても、シューマッハは今月3日に37歳になり現役最高齢。F1ドライバーとしては引退してもおかしくない年齢です。ですから遅かれ早かれシューマッハ引退という“Xデー”は必ず訪れるわけですが、シューマッハが引退したら、シューマッハ至上主義者の方々は大きな指標を失うことになりますね。その多くの方がシューマッハ引退と共にF1から離れてしまうものと思われますが、その後もF1を観続ける方が、どのように好きなドライバーを乗り換えていくのか非常に興味深いですな。

 しかし、シューマッハが依然として最高のドライバーであることは間違いなく、チャンピオンシップ獲得にも強い意欲を持っています。そして、昨年は不振だったフェラーリも今年は復活を遂げて再び勝ち始めることも大いに考えられるため、今の時点ではまだ、シューマッハの引退は考えられませんな。

 僕ですら今年のチャンピオンを予想するなら、シューマッハを筆頭に挙げます。



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