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■ F1、史上最年少チャンピオン誕生
2005年09月25日(日)
F1第17戦ブラジルグランプリ決勝、フェルナンド・アロンソ(ルノー)とキミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)によるタイトル決定戦となったブラジルグランプリはいよいよ決勝日を迎えました。決戦の舞台となるアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェには、昨夜から激しい雨が降り注いぎましたが、その雨も朝方には上がりました。しかし上空は厚い雨雲に覆われ、いつ雨が降り出してもおかしくない不安定な天候の中、現地時間午後2時、フォーメーションラップがスタートしました。
史上最多の19戦が組まれた今年のF1カレンダーで、実に17戦までし烈なタイトル争いを繰り広げてきたのはフェルナンド・アロンソとキミ・ライコネン。2人は世代交代を迎えたといわれるF1でしのぎを削り、互いに初タイトルを目指して戦いを続けてきました。そのバトルに、ついに終止符が打たれました。
決勝がスタートすると、ポールポジションのアロンソ(ルノー)が好スタートを切り、2番グリッドのファン・パブロ・モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)を抑え、トップで1コーナーへ抜けていきます。ところが、スタート直後の後方でのアクシデントによりセーフティーカーが導入され、それが解除された3周目、モントーヤがアロンソを交わしてトップに立つと、そのまま引き離しにかかります。 一方、タイトルを争うライコネンは、燃料を多く積んでいたために序盤はペースが上がらず、先頭集団に着いていくことができませんでした。しかし、レースが進むにつれタンクが軽くなったライコネンは徐々にペースを上げ、終盤にはモントーヤに続く2位に浮上しマクラーレンのワンツー体制を築き上げます。
結局マクラーレンの2台はこのままのオーダーでワンツーフィニッシュを今シーズンようやく達成しましたが、アロンソが3位でフィニッシュしたため、アロンソがスペイン人としては初の、24歳58日でのタイトル獲得という、史上最年少チャンピオンに輝きました。史上最年少チャンピオンの記録更新は、1972年に25歳と8ヶ月22日で王座を獲得したエマーソン・フィッティパルディ以来、実に33年ぶりの快挙です。
フェルナンド・アロンソは2001年にミナルディからデビューを飾り,非凡な才能を発揮して当初から注目を浴びていました。ルノーへ移籍後はフラビオ・ブリアトーレ監督の下で教育を受け、1年間のテストドライバーを努めて着実に経験を積んできました。そして2003年にハンガリーGPで初優勝を遂げ、翌年も4回の表彰台に上がり一気に評価を高めました。今シーズンは開幕から好調を続け、同じマシンに乗るチームメイトのジャン・カルロ・フィジケラをも圧倒し、マクラーレン勢の自滅とフェラーリの不調を尻目にチャンピオン街道を一気に突き進みタイトルを獲得しました。
マシンの速さは、間違いなくマクラーレン・メルセデスが群を抜いていたでしょう。しかし、メルセデスエンジンの信頼性不足などに泣き、ライコネンはトップ走行中にリタイヤを余儀なくされたことも何度かあり、苦汁をなめてきました。一方アロンソは、ルノーの高い信頼性を武器にライコネンの自滅によって難なく優勝を重ね、マクラーレンが復調しライコネンがようやく追い上げを開始した頃には、すでに逆転不可能なまでのマージンを築いていました。もしマクラーレンが序盤から好調だったとしたら、今シーズンのタイトル争いは、また違った展開になっていたに違いありません。もしかしたら最終戦までもつれ込んでいたかもしれませんね。
いずれにせよ、F1は長きに渡って王座に君臨してきたミハエル・シューマッハが陥落し、若い世代による新時代の到来を告げました。来シーズンもアロンソとライコネン、あるいはジェンソン・バトンやその他の若きドライバー達による、フレッシュなタイトル争いが展開されることになるでしょう。そして、F1史上最強のドライバー、ミハエル・シューマッハがF1から引退する「Xデー」は、刻一刻と近づいています。
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