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■ 「マスター・アンド・コマンダー」を観る
2005年08月25日(木)
WOWOWから録画した映画「マスター・アンド・コマンダー」を観ました。この映画は2003年に公開された映画です。 広大無辺な洋上を舞台に、伝説的艦長と少年兵士たちの絆と成長を迫力の映像で描いたスペクタクル・アドベンチャーで、全20巻からなるパトリック・オブライアンの世界的ベストセラー海洋歴史冒険小説「オーブリー&マチュリン」シリーズから第10作目「南太平洋、波瀾の追撃戦」を軸に映画化したもの。監督は「いまを生きる」「トゥルーマン・ショー」のピーター・ウィアー、主演は「グラディエーター」のラッセル・クロウ。共演に「ビューティフル・マインド」のポール・ベタニーがいます。
ヨーロッパがナポレオンに席巻されつつある1805年、海の上でもフランス勢力は圧倒的優勢を誇っていた。劣勢のイギリス軍は、それまでに多くの兵士を失い、幼い少年たちまで徴兵しなければならない戦況に立たされている。そんな中、弱冠12歳の士官候補生ブレイクニーら数人の少年たちも兵士として軍艦サプライズ号に乗り込む。そして、伝説的な名艦長として名を馳せるジャック・オーブリー指揮のもと、フランス軍の武装船アケロン号の拿捕という重大任務に向かう乗組員たち。しかし、彼らの前には、大海原の脅威という試練も待ち構えていた……というストーリー。
実はこの映画、別の映画を観に行った時に予告編をやっていたのですが、そのときのキャッチコピーが次のようなものでした。
1805年―― ヨーロッパ征服を狙うナポレオンの前に、多くの兵士の命が犠牲となった。 窮地に立つ英国軍が、一人の艦長のもとへ送り込んだのは、 まだ幼い少年たちであった……。
このコピーを見ると、まるで「戦場に送り込まれた幼い少年たち」のお涙頂戴モノの映画だと思ってしまいますよね。実際僕もそういった悲劇の物語だと思っていました。しかもこのキャッチコピーをナレーションしたのは「北の国から」の吉岡秀隆、焼酎のCMの「ソラク山の水は……澄んでいた……」と同じ口調で喋るもんだから、悲壮感たっぷりなんだよ〜!
ところが、実際に映画を観てみると、特に幼い少年たちにスポットが当たっていたとは思いませんでした。むしろ予告編ではまるで主役のような扱いだった少年士官候補生も、膨大なクルーのうちの一人でしかありません。それどころか、彼等は少年であっても紳士として扱われ、特権も与えられ、そのかわりに大いなる責任を背負っています。その辺りの厳しさが心地よかったです。だからハリウッド的なお涙頂戴モノにはなっていませんでした。ピーター・ウィアー監督ならではの、真摯なつくりになっていると思いました。 この映画は公開当時「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」という最大の対抗馬があったわけですが、予告がもう少し映画の内容を忠実に表現したものだったら、もっとヒットしたのではないかと思います。実際僕個人的には「ロード・オブ・ザ・リング」よりも好きだし、海洋モノとしても「パイレーツ・オブ・カリビアン」よりも良かったと思います。
予告編の印象もそうでしたが、「マスター・アンド・コマンダー」という題名からして、戦艦と戦艦のドッカンドッカンといった壮絶な戦闘シーンなどがメインの映画かと思ったのですが、もちろん戦闘シーンは出てきますが、基本的には当時の時代考証に乗っ取った航海アドベンチャーという要素が強かったと思いました。冒頭の戦闘シーンの後はひたすらフランス戦艦との尻の取り合い、そして相手の裏をかく戦略的な騙し合いと、帆船の戦艦における頭脳的な戦略的要素がふんだんに盛り込まれており「昔の海戦はこんな風にしていたのかあ」とひたすら感心せずにはいられませんでした。
何と言っても途中補給のために立ち寄ったガラパゴス諸島以外、すべて舞台が海洋上というのが良かった!
この映画を観るまでは、主役のラッセル・クロウはルックス的にもどこにでもいそうなオッサンぽいので、派手さが無くミスキャストなのではないかと思ってましたが、実際観てみたら、ラッセル・クロウがとても頼もしくて力強く見えました。役作りのためにかなり太っていましたが、それがまた貫禄があっていい感じでしたね。
この映画の中に、少年士官役でマックス・ベニッツという子役が出演していて全編通して活躍しているのですが、このマックス・ベニッツ、成長したら相当イケメンになるだろうなあ……。金髪イケメン好きの某○○さんが近い将来惚れ込むのは、まず間違いないでしょう。彼は「マスター・アンド・コマンダー」が映画初出演になりますが、この映画で見せた素晴らしい演技力と存在感で、今後良い作品に恵まれるといいですが。
ちなみに、「ロード・オブ・ザ・リング」のピピンも出てました。旅の仲間たちは、色々なところで活躍しているんですな。
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