Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1、BARに不正の疑い
2005年04月29日(金)

 先週末に行われたF1サンマリノグランプリ決勝レース後の重量計測で、3位表彰台に登り今シーズン初めてポイントを獲得したBAR・ホンダのジェンソン・バトンのマシンが、最終的に規定の数値を下回ったにもかかわらずスチュワードが合法との決定を下したことについて、スチュワードを指揮するFIA自身がこれに控訴する声明を発表したようです。FIAはスチュワードの決定に満足しておらず、5月4日にパリで臨時の国際控訴院を開催するようスケジュールを組んだようです。

 通常FIAは、レース終了後に完走した全てのマシンを対象にレギュレーション違反がないかどうか、重量、寸法、その他ランダムな項目の車検を実施しています。サンマリノグランプリにおいても通常通り、FIAがジェンソン・バトンがドライブしたマシンの車検を行い、最低重量を含む全てのレギュレーションに合致していたことが確認されたようです。
 その後FIAは更なる項目のチェックをするため、燃料タンクそして全ての燃料系システムの中の燃料を抜き出すよう、チームに指示を出しました。そしてマシンの重量を計測した結果、全ての燃料を抜き出した状態では最低重量を下回っていたというのが、今回の騒動の始まりでした。

 これについてFIAから説明を求められたBARは、チーム側のデータ、そしてスチュワードが測定したデータをもとに、マシンがレース中のいかなる時点においても最低重量を上回っていたことを証明しました。そして昨夜遅くイモラサーキットにおいて、スチュワードがBARの説明とその証拠を認め、マシンがレギュレーションに適合していたことを認める書類(ナンバー49)を発行しました。
 ところが、英国時間4月25日の午前11時30分に、BARはFIAのセクレタリー・ジェネラル(スポーツ部)からFAXを受け取りました。その内容は、サンマリノグランプリ終了後のスチュワードが下した判定(ナンバー49)に対し、FIAが抗議するというものだったのです。

 BARに掛けられている疑惑はどうやら、「秘密の燃料タンク」を使用して最低重量を誤魔化していたというものらしいです。今回バトンのマシンは燃料等をすべて抜くと594キロであり、600キロと定められた規定に違反していることになりますが、最低重量に違反していただけならばバトンの失格&罰金程度の処分になると思われます。
 しかし、もし意図的な隠れタンクがあるとしたら、それだけで明確なレギュレーション違反となるだけでなく、極めて悪質な違反とされた場合、BARに対して高額な罰金が科せられるだけでなく、最悪今季のチャンピオンシップから除外(佐藤琢磨も含め)というケースもあり得ると噂されています。

 BAR側はレース後の事情聴取で、ゴール後のクーリングラップで使用する燃料分を考慮すると、レース中のいかなる場合にもBARのマシンは最低重量を下回ったことはないと説明、スチュワードはこれを受け入れて失格の裁定を出さなかったようです。
 しかしFIAはBARのマシンの燃料タンクの構造自体を問題視しているというわけです。燃料タンクに関しては、「単一のゴム製袋型燃料タンク」という以外に明確な規定はないと思いますが、もしBARのマシンがもう一つの秘密タンクをマシンに内蔵していたとしたら、これはレギュレーション違反と言うことになります。さらにその目的が最低重量規定を巧みにクリアするため、ということになれば厳罰は免れないでしょう。

 とりあえずは、国際控訴院の判断が下される5月4日を待つしかありませんね。



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