Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 Makoの陶器
2005年02月14日(月)

 昨年陶芸で作っていたコーヒーカップ3つが、出来上がってきました。陶芸は、高校生の頃に父の知り合いの陶芸家の方に教わって作ったことがあるのですが、今回は家の近所の陶芸教室で1行程の体験教室で作ったものです。高校生の時に作ったのはなぜか馬の置物と陶器のマスクで、我ながら面白いものを作ったとは思いましたが、今回は初めて実用的なものを作ることができました。
 僕が今回作ったのは映画「ゴースト」で出てくるような「ろくろ」を使ったものではなく、手で形を作っていく「手織り」という手法の陶芸です。

 まず土の粘土を使って形を作っていくのですが、これがなかなか難しく、土でできた粘土なのでけっこう硬くて、幼稚園や小学生の頃にやった粘土遊びのようにはいきませんでした。丸めた粘土の塊を回しながら、その真ん中に親指を入れるようにして両側を盛り上げていき、徐々にカップの形にしていくのですが、厚さを均一にしていくのが特に難しかったです。何とか3つのカップを作り終えたら、今度は取っ手の部分となる帯状のものを3つ別に作り、それをカップの横に曲げてつけて形は完成です。
 その後数日間乾燥させ、すっかり水分がなくなって硬くなった状態のものを、今度はへらで削ったりして形を整えていきます。例えば、カップの中の部分は手で練っているため底の方が狭くなっているので、へらで周りを削りながら側面の厚さと底の厚さを揃えていくというわけです。

 形が整ったら、次は「素焼き」です。成形し乾燥させた器を800〜1000℃の低い温度で24時間ほど焼きます。素焼きをしておくと本焼きの際、収縮率が大きくなってしまうのを防ぎます。
 素焼きが終わった陶器は、焼く前のグレーっぽい色からファンデーションのようなベージュ色、いわゆる典型的な素焼きの色になります。この素焼きを今度はサンドペーパーで磨き、へらの削り跡や手で練っているときにできたシワなどをなくしていきます。しかし、手織りの陶器はろくろで作ったものとは違い、ぼこぼこした感じが味わいのあるものなので、ヤスリがけはほどほどがいいのだそうです。

 それが済んだら、今度は素焼きの上に、釉薬(うわぐすり)と呼ばれる木の灰を溶かした液体で「絵付け」をしていきます。ただ、僕の場合はただ全面に1色の釉薬でコーティングしただけのシンプルなコーヒーカップにしたかったので、絵付けと言うよりはコーヒーカップを釉薬の入ったバケツにちゃぽんと一回浸けるだけという、至って簡単なものでした。この釉薬には様々なものがあるのですが、僕はコーヒーを飲むのに使う予定なので、コーヒーの色に合いそうな、乳白色の釉薬にしました。

 絵付けが終わったら、いよいよ「本焼き」です。本焼きは素焼きとは違い、今度は1300℃前後の高温で焼成します。これで生地がしっかり焼き絞まります。今回お世話になった陶芸教室の窯は薪を使った登り窯で、焼成は数日から数十日もかかります。この本焼きの行程で釉薬が溶け、熱が冷めると光沢のある、つややかな表面になって完成します。

 陶芸は1回の行程にかなりの日数がかかるのですが、先日、僕の作ったコーヒーカップが焼き上がったという連絡をもらったので、早速取りに行ってきました。予想以上にいい仕上がりでした。表面は艶のある美しい乳白色で、3つのコーヒーカップが当たるとカリンというガラスのような音がしたので、「おお!磁器の茶碗と同じ音だ!」と感動してしまいました。
 さっそくこのコーヒーカップを使ってコーヒーを入れてみたのですが、コーヒーの色が陶器の中で映え、とても美味しそうに見えました。やはり乳白色にしたのは正解でした。自分で作ったカップでコーヒーを飲むというのは、なかなか乙なものですな。



完成したMakoの陶器



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