Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 「座頭市」を観る
2004年11月28日(日)

 日曜洋画劇場でやっていた「座頭市」を観ました。以前お話ししましたが、僕は映画館で観る映画では、ついつい邦画を避けてしまいがちなんです。僕が映画館で観た邦画は、中学時代に観たアニメ「機動戦士ガンダム〜逆襲のシャア〜」、昨年観た「CASSHERN」の2本だけ。でも、「座頭市」はぜひ映画館で観たかったです。いろいろあって結局映画館で観ることはできなかったので、近々ビデオで借りてきて観ようと思っていたので、ちょうどテレビでやってくれてよかったです。

 北野武監督作品では、「座頭市」が3本目の作品となります。過去に観たのはデビュー作の「その男、凶暴につき」と日米合作の「BROTHER」の2本、いずれも地上波テレビで観ました。
 「座頭市」はかつて勝新太郎が演じていた人気シリーズ、北野作品としては初の時代劇で、海外でも高い評価を得た作品とあって、観る前からかなり期待していましたが、いや〜!面白かった!バイオレンスなのに爽快でした!

 ストーリー自体は至ってシンプルな勧善懲悪モノですが、たけしの独特のセンスとアイディアがふんだんに盛り込まれており、時代劇とハードボイルドが見事に融合した、とても素晴らしい作品だと思いました。
 「座頭市」が盲目の居合い抜きの達人という設定なので、かなり血しぶきが飛び散ったりと残虐なシーンもあったりしますが、思わず笑いを誘ってしまうネタなども盛り込まれており、全体的に非常に高いエンターテイメント性を持っていますね。
 見所はたけし独特の殺陣と出ずっぱりガナルカナルタカのコメディ、そして何といってもラストシーンのタップダンスでしょう。

 殺陣に関しては、同じく剣の達人で用心棒の浅野忠信との対決が物語のクライマックスとなっているのですが、さすが座頭市、居合い抜きの達人とあって、散々そのクライマックスまで引っぱっておいて、そのメインの対決がたった一撃であっさりと終わってしまったのが良かった!まさに映画の予告編のナレーション通り「向かうところ、敵なし」でした。
 そしてガナルカナルタカ、うーん、いい味出していました。彼以外の役者が重厚な演技を見せているのに対し、タカさんは一人、普段バラエティ番組で見せるような肩の力を抜いた軽い演技をしているので、それが重く残虐なだけの映画になってしまいがちなのをうまく崩していると思います。タカさん、この映画で世界デビューですなあ。

 ラストシーンの農民たちによるお祭りでのタップダンスシーンは、評判通り予想以上の迫力と素晴らしさでした。すでにいろいろなところで言われていますが、時代劇でタップダンスを取り入れたたけしは天才ですね。これじゃ世界で高く評価されるのも当然です。これに関しては僕がとやかく感想を書くよりも、一見に如かずといったところです。

 この作品で気になったのは2点だけ。一つは、冒頭で農民が鍬で畑を耕すシーン。その鍬が土をかく音が音楽とシンクロしてリズムを刻んでいたのですが、その「ザックザック」という音がノイズのようで、テレビで聞く限りではかなり耳障りでした。
 そしてもう一つが夏川結衣。これは個人的なことなのですが、結構好きな女優さんなのに、ほとんどセリフも登場回数もないまま自害してしまった……。
 逆を言えば、この作品で「ここはイマイチ」と感じた部分がこれぐらいしかなかったということです。それぐらい気に入りました。



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