江國香織さんの小説の中にある、数多のフレーズの中で 私の一番のお気に入りはコレ↓(『間宮兄弟』より)
【状況】 A=妻 B=夫 C=夫の不倫相手 BはAと離婚してCと一緒になりたいと思っている。 BはAに離婚を切り出し、Aは「離婚する気はない。」と言っている。 Bは家を出てしまった。 この状況で、Aが郊外の、Bとの思い出がいっぱい詰まった一軒家で、 独り考えている姿を江國さんが描写したもの。
「それでもAは別れたくなかった。Bと2人で不幸でいる方がよかった。 Bのせいで、見知らぬ女(C)が幸福に暮らすよりは。」
これを読んだ時、ある意味目から鱗状態だった。 「私の中にある気持ちはこうゆうことだったんだ。」って思った。 もやもやしてたものを「言葉」でちゃんと表現してもらった、と思った。
ありがとう、江國さん。あなたのFANで良かった。
この本は昨年の秋に発行されたもので、 作品全体では江國香織作品ランキング(個人的な)の 上位には入らないけれど、心に響く、というか的を射すぎていて 締め付けられるような、苦しいフレーズがいっぱいあった。
どうしても一緒にいたい。離れることだけは考えられない。 ダーと一緒にいて不幸でも、一緒にいられればそれでいいんだ。
★いつも読んでくださってありがとう★
|