2005年03月11日(金) |
卒業にまつわる思い出話。 |
小学校の卒業アルバムの中に『なんでもベスト3』という企画がありました。 これは、その名の通り『様々な視点からクラスのベスト3を決める』というもので、どんな項目を入れるかなど学級会で話し合いの場がもたれました。
かわいこちゃんベスト3、力持ちベスト3、早食いベスト3、ノッポさんベスト3など数々の項目がすんなりと決定していく中で、1つだけ入れるか入れないかで大揉めになった項目がありました。それはブリッコベスト3。
何故揉めたのかというと、クラスの嫌われ者Sちゃんが猛反対したからです。 Sちゃんは当時、ブリッコぶりがキモイと皆から敬遠されていました。本人もそれを知っていたので、何としても阻止したかったのでしょう。
でも、反対しているのはSちゃんのみ。そこから1対35名のバトルが繰り広げられる事に。 断固として反対を主張するSちゃん。対して、面白がって賛成する他35名。 でも、私は別にどっちでも良かったのでSちゃんと賛成派の代表であるOとの争いをボーっと眺めていました。
Sちゃんが意見すればOが言い返す。そしてまたSちゃんが意見を返す。。ずっとこの調子で平行線を辿っていた話し合いに終止符を打つ事となったのは、クラスの優等生Yちゃんの発言がキッカケでした。
「ブリッコっていうのは別に悪い意味で言ってる訳じゃないのだから入れても良いと思います」
Yちゃんは優しくて、他人の嫌がる事を絶対にしないようなコだったので、この発言は私的にちょっと意外でした。 多分、YちゃんだってSちゃんが選ばれるであろう事は分かっていたハズ。 普段のYちゃんからは考えられない発言に、ちょっとビックリ。 と、同時に普段はいいこぶっていても、人の本性ってこんなところで現れるのだなと変に関心したのを覚えています。
そこで、これまでの話し合いを黙って聞いていた担任が
「皆はブリッコは悪口じゃないと言うけれど、Sにとっては嫌な言葉なんだろう?」
と言い、その言葉にうなずいたSちゃんを見て更にこう続けました。
「賛成多数だから、この項目は入れよう。その代わり、Sをここに入れないように。皆、それでいいな?」
Sちゃんをここに入れたかった人達は少し不服そうでしたが、表面上はクラス全員の意見を取り入れた形となるこの提案を採用する事となりました。 だけど、問題はこれで解決とはならなかったのです。
ベスト3は項目によって決め方もまちまちでした。例えば
・『早食い』の場合は、給食時に食べる速さを競って決定。 ・『ノッポさん』の場合は、男女別にそれぞれ背の順が後ろの3名ずつを選出。 ・『力持ち』は、腕相撲大会で決定。 ・クラスの投票により決定。
など。ちなみに『ブリッコ』については、投票で決定する事になりました。
そして数日後。 投票結果が発表されました。 カワイコちゃんの1位は、文句なしでHちゃん。クラスのマドンナ的存在だったので、誰もが納得の受賞となりました。 ミーハーの1位は、4バカの一味でもあるマキが見事選ばれました。当時、光GENJIにハマってたからね〜(笑)
そして、皆が注目していたブリッコの第1位は。。これまたダントツの投票数でYちゃんに決定!! あの学級会での発言と普段の行いのギャップを考えると妙に納得してしまったのでした。 そして何となく意地悪な気持ちになってYちゃんの方を見ると、Yちゃんは机に突っ伏して泣いちゃってました。
私の中で『他のコよりちょっと大人な女の子』だったハズのYちゃん。 けれど、学級会があった日を境に彼女の印象は『実はちょっと嫌なヤツ?』に変わり、更にこの日以降は『口ばっかりのブリッコ』にまで成り下がってしまいました。 それが他のコだったならそこまでは思わなかっただろうけど、当時のYちゃんはちょっと大人びていて、密かに憧れだったのです。何だか裏切られたような気がして(笑) まぁ、今にして思えば『彼女もやっぱり12歳だったんだな』と逆に微笑ましくさえ思いますけどね(´ー`*)
とりあえず、ここでクラスはざわついた訳ですよ。 皆思う事は同じらしく、冷ややかな目でYちゃんを見つめていました。 それに加えて、第3位にSちゃんがランクインしてたものだからさぁ大変!!(←白々しい言い回しですが)
「どうして私が入ってるの!!」と憤慨するSちゃん。そして、「ブリッコベスト3は入れないで欲しい」と泣きながら訴えるYちゃん。それをニヤニヤしながら見つめる人、ただただ唖然とする人。。 ここでまたまた揉めた訳ですが、結局Sちゃんは「3位なら我慢しても良い」と食い下がった為そのままに、「どうしても嫌だ」と喚くYちゃんはランキングから外す事になったのでした。
最終的には、Yちゃんに代わって何故かマキが1位に( ̄▽ ̄;) 1位が不在というのはマズイだろという事になった為「私がなってもいいよ」と申し出たからなのですが(苦笑) 実際、あんた1位どころか1票も入ってないし(笑) でも、とりあえずは円満に?解決したのでした。
でも、私もYちゃんの事は言えないのかも。 私も、ありがたくないベスト1に輝きまして思わず泣きそうになりました。
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