私の音楽日記

2004年10月25日(月) 「心のうちがわかればいいのに」  佐々木好  1982.2

もう20年以上愛聴している佐々木好さんのファーストアルバム。
大事な言葉だけを凝縮させ、ほとんどの装飾をとりはらったかのような歌の数々。
そのせいかこのアルバムの曲は時間的にはとても短い。
詩も短いものが多い。でも、内容は濃い。

 ”二人でドライヴニコニコしながら
  あなたと私は笑う
  対向車が恐くないかと尋ねると
  ガックリした顔になりカリーナを眺めて
  人間てサ自分は信じられるけど
  他人はなかなか信じられないものだ
  あー心に焼きつき ますます好きになりそう

  二人は想い出にすぎないみたい
  初めから知ってた
  アフロの頭はもう切ったかしら
  ニコッと笑っておくれもう一度
  出会いってサ決められているみたいに
  不思議と別れがあるね
  あー私の名前だけあなたに呼んで欲しい
    「ドライヴ」

誰がなんと言ってもこの歌が一番好き。

余分な言葉は一つも無い。
楽しい今現在から別れまでを予感していて、
それは悲しくとも確実に来るとわかっている。
しつこくないところが佐々木好さんの歌の特徴。
冷静に理解することができる。

「今日はどんな日でしたか」「#4006」「心のうちがわかればいいのに」では
身近な生活観や心象風景を素直に淡々と歌う。
 
 ”今日はどんな日でしたか 疲れましたか
  一日が長く感じたり短く感じたり
  邪魔になる事や
  何かをしようと思っても
  過ぎてく時のほうが速くなる

 ”心のうちがわかればいいのに
  それからあなたの性格も

なぜ『心のうちがわかればいいのに』をタイトルにしたのかはわからないが、
誰もが一度は持ってしまう願望でしょう。
実際は心のうちがわかってしまえば恐い事が多いと思うけれど、
誰もが一度はそう思うのでしょう。
でも、心のうちがわからないからこそ人は人を好きになるのでしょう。  


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