2004年10月03日(日) |
夫、病院で医者に怒る(前編) |
昨日の助産婦さんにお願いするならば、病院へ行って検査を受けなければならない、ということを妻は納得しました。また、低血圧についても気になっていました。そこで、いぜん、知り合いが推薦していた総合病院へ行くことにしました。 その前に、区役所へ行き、母子手帳をもらってきました。母子手帳も、いよいよ3冊目です。助産婦さんにかいてもらった「妊娠証明書」を窓口に出すと、すぐに真新しい手帳をくれました。なんだか、晴れがましいような気持ちがしました。 家に帰り、住所、氏名、昨日の検診結果などを書き込み、最初のページにある「妊婦一般健康診断受診票」に必要事項を書きこみました。昨日、助産婦さんが「無料で病院で診てくれる券」と言っていたものです。
母子手帳と保険証と水筒を持って、妻と病院までてくてく歩いていくと、玄関の前に立っている電柱に、別の産婦人科医院の広告が貼られていました。 「なんでこんなところに、別の病院の広告があるんだろうね」 「きっと、この病院にかかって、不満に思った人が、この医院へ行くんじゃない」 などと冗談を言いあっていました。 中に入ると、総合病院だけあって、受付の窓口がたくさんあって、どこに行ったらよいのかわかりませんでした。とにかく、見当をつけて行ってみました。 「この妊婦一般健康診断を受けたいんですが」と言いながら、「妊婦一般健康診断受診票」を見せました。 「診察券を機械に挿入してください」 「いえ、初めてなんですが」 「妊娠していることは確実なんですか」 「はい。そうですよ。だって、母子手帳があるじゃないですか」 「それなら、こちらに書いてとなりの窓口に出してください」 と、産婦人科の問診表を渡されました。 このとき、気づいたのですが、おそらく、妊娠が確認されていて、いきなり飛び込みで「妊婦一般健康診断」を受けたいと言ってくる人はあまりいないのでしょう。
普通の手順としては、①「妊娠したかもしれないのですが」と病院にやってくる。②診察を受けて、「妊娠していますね」と医者に言われる。③次の予約を入れる。といった感じなのでしょう。 でも、ぼくたちのようにいきなり病院へ行かない人たちは、検査だけを病院へ受けに行く、という場合があります。このときに、助産婦さんの嘱託医であれば話は早いのでしょうが、助産婦さんの地元は少しうちから遠かったので、近くの病院へ行ったのです。 ともあれ、妻は、問診表にとりかかりました。その中に、なぜ病院に来たのかを問う設問がありました。選択肢に丸をつけることになっているのですが、例えば「妊娠したかもしれない」とか、「腹部に痛みがある」などと列記してありました。しかし、どこにも、「妊婦一般健康診断を受けたい」というようなものはありませんでした。 しかたなく、「その他特別な症状( )」という欄に、「妊婦一般健康診断希望」と書き入れました。それを受付に提出し、再度しばらく待つと、その問診表と診察カードを渡され、産婦人科の窓口へ行くように言われました。
長い廊下を渡って産婦人科へ行くと、たくさんの妊婦さんが長いすに座って、順番を待っていました。ぼくたちも、先ほど書いた問診表と診察カードを渡しました。少し待つと、看護婦さんがやってきました。 「今日はどうされましたか」 「妊婦一般健康診断を受けたいんです」と妻は言いました。 「それなら、この券を使ってもいいですか」と言って、「妊婦一般健康診断受診票」を取りました。 「はい、お願いします」 すると、妻は別室に連れて行かれ身長と体重などを測って戻ってきました。別室では、看護婦さんとこんなやりとりがあったそうです。 「どこか病院で妊娠していると言われましたか」 「いえ。うちに助産師さんに来てもらいました」 「どこにも病院に行ってませんか」 「はい」 「自宅に助産師さんに来てもらった特別な理由はありますか」 こう言われて、妻は困ってしまいました。 「特別な理由はないんですが」 と言うと、看護婦さんがびっくりしていたので、こう言いました。 「自宅で出産しようと思って来てもらったんです」 なおも看護婦さんは驚きながら、 「あまり、そういう人、珍しいから」と言いました。 それから、「しばらくお待ちください」 と言われ、ずいぶん待ちました。1時間半くらいです。お昼時をすぎて、すっかりおなかがすき、二人とも帰りたくなっていました。ぼくたちよりも先に来ていた人が、まだ何人も待っていました。
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