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木津未来会議の日記
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2010年06月23日(水) 請願審査を終えて・・

本会議最終日です。
請願2件が本会議で議決されました。

6か月前に提出された継続審査をしてていた「公共下水道に関する請願」と、「不祥事根絶を求めて」の請願の2件です。

それぞれ委員会での審査結果が報告された後、質疑、討論を経て採決がされました。
下水道の請願は、委員会では3対2で不採択でした。
結果は、15対10で採択となりました。
賛成、すなわちみかのはら地域を公共下水道計画へ編入することに賛成の主な理由は、
酒井議員「住民への説明が不十分」
炭本議員「公共下水道の計画が加茂町時に約束されている、合併浄化槽の性能が不確か」などというものです。

私は、この間常任委員会の委員として悩みつつ、審査した結果反対の討論をしました。
長文ですが、以下です。
「木津川市加茂町みかのはら地域の公共下水道に関する請願」に不採択の立場で討論します。この請願が議会に提出され12月議会以降の委員会において審査を重ねてきました。6か月を経ての審査結果が先ほど委員長よりご報告ありましたが、私自身この請願審査にあたってはこの半年間考え悩んできたことは事実であります。

請願を受けて後、請願者の方より連絡をいただき、現地を案内していただきました。請願者の方々の熱い、長年の思いや願い、地域としてのまちづくりに向けての活動などをお聞きしましたし、合併したら公共下水道ができるとの過去の加茂町長の発言などを信じて今まで待たれている住民の方にとって、今回の市の見直しは納得できないとの気持ちは、理解できます。

しかしながら、私は市全域を、そして将来の市の財政に責任を持つ議員の立場であります。
今回の請願要旨は「みかのはら地域を公共下水動計画に編入すること」であり、それを採択するか否かが問われているのです。
私自身、木津町時より、公共下水道事業の見直しの必要性を感じていましたので、所属委員会で岐阜県の瑞浪市へ研修に行きました。そこでは、経済比較、整備時期、財政力などを考えて、地域を細かく細分化した上で、再検討をされていました。そのような見直し・検討を木津町もすべきと述べてきましたし、市になってからも委員会で瑞浪市へ視察をされ、委員会としても見直しの提案をされてきていたように認識しています。
そして昨年21年3月に作成された汚水処理施設整備計画構想はまさしくその方向で検討をされた結果のものです。その意味で、私が構想案を支持する理由の1つがこれなのです。みかのはら地域に限らず市内全域を国の方向や府の計画と合わせて見直しをしたことつまり手法を支持するということです。
次に、具体的な検討内容が市民の目線に立った項目を優先した、基準の設定であるかどうか、またその基準に沿って市民と対話を行いながら処理方法の見直しを行っているかどうかとの2点がそろっているか否かを検証しました。
必要な項目として私が思うのは、市民にとって、整備費や維持費がより安く、個人負担がより少なく、工事期間がより速くが基準になっているかどうかだと思います。ほぼその方向の基準が設定されていることを確認しています。ただ、一般質問でも指摘したように維持経費に関して浄化槽の方が高額となっていますので、その点については、今後軽減策を検討すべきではありますし、市町村型浄化槽の検討や導入を市長も部長も名言されましたので、内容も認めることができます。
市民との対話の部分ですが、地域審議会への諮問、地域長・副地域長への説明、そして先日の6月2,3の住民説明会の実施、さらには参加者へのアンケート実施と再度の説明会の開催予定など住民への説明を実施されていること、対話の方向は取られています。
つまり構想案の方向性及びその内容、住民説明の3点の姿勢を確認できるというものです。

そもそも請願とは憲法16条に規定された国民の権利で、公の機関に対して要望を述べる行為であります。請願の採択二ついては、議員必携にも記載されているように、願意が妥当であるか、実現の可能性があるかさらに議会の権限事項に属する事項であるかが判断基準とされています。「願意の妥当性」とは、法令上あるいは公益上の見地から見て合理的なものをいい、「実現の可能性」とは緊急性や重要性及び財政状況などからみて、ごく近い将来実現の可能性があるものをいい、厳格に解釈しなければならないとされています。

ただ、今請願要旨にあるように水質汚濁と環境の悪化が進んで、低地の下流地域への溜まり、については現地視察を通してその状態も見て、農業用排水路の未整備による水環境の悪化が見られる箇所が数箇所あるのを確認しました。市としても早急に改善していくべく、その方法などを検討すべきであり、市の水環境を守る施策と位置づけ、地元の意向を十分汲んだ上で、木津川市のふるさとともいえるみかのはら地域の財産を守るための取り組みを早急にすることが必要と、委員全員が思いを共感したものです。それを形にしたのが先ほど委員長が意見として述べていただいた内容に集約されているものです。

公共下水道計画に入れてとの願いを議会で認めることにより、排水路の整備が遅れていくのではと懸念します。

府の計画と不一致な市の計画だと、当地域の27億円といわれる工事費がすべて市から捻出されなければならないことになります。その上、現在の計画区域に最低10年がかかると
言われています。
現在の下水道事業会計の1 2 0億円を超える公債費、借金がある状況で、返済に充てる公債費が増大し、その結果一般会計からの繰入金が膨らみ市の財政を圧迫してくる状況を考えると、議員としてこのまま、見直しをすることなく、進むことに対して議員としての責務から考えて私はできません。

以上、見直しの方向性及び実際の基準、住民対話の姿勢の3点及び、今後のみかのはら地域の水環境の整備、排水路整備をより進めるために私はこの請願は、不採択すべきと断腸の思いでの決断であります。

最小の経費で最大の効果をあげ、市民福祉の向上に努めること、私たち議員は全体の奉仕者であり、一部の奉仕者であってはならないのは言うまでもないことです。皆様の賛同をお願いし討論とします。」

市の財政を考える議員としての判断をしました。今後請願採択により扱いがどうなっていくのか、心配です。
 
      (敬称略)
請願賛成者 伊藤、大西、炭本、梶田、片岡、織田、島野、西岡、七条、
      深山、酒井、宮嶋、村城、森岡、山本

請願反対者 倉、 出栗、高味、吉元、阪本、尾崎、木村、中谷、曽我
      くれは 

不祥事の請願結果は、明日の日記で報告します。 



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