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「すべての亡骸に花を」 <B-T> - 2004年09月21日(火) 9/18の朝日新聞夕刊で、久しぶりにBUCK-TICK情報を見ました。 CDもDVD情報もCheckしなくなってそろそろ一年、 それでも久しぶりにあの音が聞きたいと思えた記事でした。 書いていたのはやはり、今井智子さん。 朝日新聞芸能欄で、確実にBUCK-TICKのライブを取り上げ続けてくれている。 今回は正に母親のような書きっぷり。 残念なことに朝日新聞のサイトでは掲載を確認できず。 そのために、個人的な保存目的にて下記に転記しておきます。 9/18 朝日新聞 夕刊11面より 鎮魂と平和 言外に伝える 9月11日、横浜アリーナで行われたBUCK-TICKのライブは、言外に鎮魂と平和の気持ちを想起させるものだった。 個々のソロ活動が一段落してバンドを再開するに当たり、12年前と同会場で同日にと企画したら、この日だっただけ、と言う。だが自分たちの足跡と歴史が偶然にも重なったことに、感じるところがあったのだろう。 久しぶりに5人がそろったからか、落ち着いた調子で始めた前半は、ハードでポップな曲を並べ、来年結成20年となる彼らならではの、安定感と持ち味を発揮。ボーカルの櫻井敦司と掛け合いで歌う今井寿が、ソロ活動の成果か声の通りがよく、曲を華やかに彩った。 細やかで効果的な映像や炎を使うなど、派手な演出と一体になってテンポよく進めつつ、流れを大きく変えたのは、中盤に演奏した「楽園」。98年の発表当時に、コーランの一節をサンプリングして問題になった曲だが、エッジの効いたヘヴィなアレンジで演奏。 「神の子が殺し合う 愛の園」というシニカルな歌詞を強調するように、新旧の戦争記録映像を編集したものを後方に撮影した。以後その雰囲気を保ちながら、ドラマチックに深みを増していったのは、このライブの意図がバンドの集中力を高めただろうか。 アンコールで櫻井が、「9月11日なので、なくなった人たちに」と呼びかけ、会場全体で1分間の黙祷を捧げた。メンバーが去ったステージに、「すべての亡骸に花を すべての命に歌を」の文字が浮かんだ。 終演後に「誤解もされるかもしれないけど、何もしないよりは、と思って」と櫻井。ナイーブではあるが、ひととして率直に失われた命を悼む気持ちが、ライブという形で表現されたのだろう。同じ夜、様々な表現があったと思うが、そのひとつに立ち合えたことを嬉しく思う。 (今井智子・音楽評論家) 著作権等は朝日新聞、或いは今井智子氏のものであり、 個人的な記事の保存を目的に転記するものです。 また、指摘・要望があった場合は速やかに削除いたします。 できれば残しておけるよう、ご協力を。 ...
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