りえるの日記

2007年03月15日(木) 潮騒

「潮騒」読了。
朴訥すぎる真っ直ぐな恋愛。
光り輝く若さを感じさせる肉体。
そういう体を表現する三島の高揚した文がいい。
ゴシック建築ではないけど、太陽に向かって主張する体。

「決して色白とはいえない肌は、潮にたえず洗われてから
滑らかに引締まり、お互いにはにかんでいるかのように
心もち顔を背けあった一双の固い小さな乳房は、
長い潜水にも耐える広やかな胸の上に、薔薇いろの一双の
蕾をもちあげていた」

「潮騒」が青年向け小説だとしたら
「午後の曳航」が大人向け小説。

私は少し毒のある「午後の曳航」の方が好き。


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