「潮騒」読了。 朴訥すぎる真っ直ぐな恋愛。 光り輝く若さを感じさせる肉体。 そういう体を表現する三島の高揚した文がいい。 ゴシック建築ではないけど、太陽に向かって主張する体。
「決して色白とはいえない肌は、潮にたえず洗われてから 滑らかに引締まり、お互いにはにかんでいるかのように 心もち顔を背けあった一双の固い小さな乳房は、 長い潜水にも耐える広やかな胸の上に、薔薇いろの一双の 蕾をもちあげていた」
「潮騒」が青年向け小説だとしたら 「午後の曳航」が大人向け小説。
私は少し毒のある「午後の曳航」の方が好き。
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