Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2007年10月18日(木)  You're so fucking special

連日レディオヘッドを聴き、連日困っている。私がずっと前から、何となくいいと思いつつも、何故かわからない(というより記憶に残らない)バンド、レディオヘッド。じっくり聴いてみたいと言ったら、先月kazuさん(g)が手持ちのCDを何枚も送って下さったのだ。一緒にレッド・ツェッペリンのライヴやDVDなどもたくさん。
TOEICも終わり、さて落ち着いてレディオヘッドを、と思った矢先によそのサイトに'Creep'の映像が張ってあるのを見た。そして思い出した。
・・・そうだ、私、'Creep'がダメだったんだ。

どうやら。レディオヘッドのファンは皆、あの曲に心酔しているらしく、特に日本でその傾向が顕著らしい。が。
私はあの曲がダメなのだ。一度たりともいいと思ったことがない。歌詞もメロディも薄ら寒く、大きく「アパシー」と書いてあるようだ。一瞬だけ評価するのは、サビに入る直前にわざとはずしたタイミングでガキッと入るギター。あれが命みたいなもんで、あれなしでは平板そのものだろう。
あの曲だけが特別に嫌いなのだ。ずっとレディオヘッドを遠ざけていたのは、今思えば、最初にあの曲を友人に聴かされたことが原因だった。その後ちらほら聴いたレディオヘッド、そして今いっぺんにいっぱい聴いてみているレディオヘッドは、どれも少なくとも耳に心地よい。―――'Creep'以外は。

そしてこれは、今ここを読んでいる人にも訊きたいんだけど。
'Creep'を最初に聴いた2003年(遅い)にネットでたまたま見つけたことだが、'Creep'はレディオヘッドのオリジナルではないというのだ。(・・・はいはい、今世界中から「はあー?! 何言ってんの??!」という抗議の声が聞こえました。うるさいよっw)
全てうろ覚えだが。その長たらしい記事によると、あるバンドだかアーティストがまず曲をつくり、経緯は忘れたがそれをトム・ヨークにあげたか何かしたのだという。で、彼はタイトルと歌詞を変えて、オリジナルとして発表し、そのことは元曲をつくった側も承知だと。
で、ここで肝心なのは、私はそのサイトに貼ってあった「原曲」を聴いたのだ。まさしく'Creep'そっくりな、しかしもっと古い感じのポップスだった。で、私はそのページのURLをレディオヘッドが好きだという誰か(誰だか忘れた)に送った。で、4年後の今それをいくら検索しても探せない。なので真偽も確かめられない。
別に盗作の話ではない。今言ったように、この話は元曲を作った側も承知とのことだし。ただ、これが純粋なオリジナルでないとすれば、'Creep'嫌いの私としては何だかすっきりするし、最近は彼らが'Creep'を演奏したがらないというのも自然だと感じる。

'Creep'を聴いていると、だんだんとドラムが耳障りになってきた。投げやりな印象だ。スネアの上に機械的にスティックを投げだしているように聞こえるし、中盤以降はライドシンバルが装飾過多・・・いやこれはもう、嫌いを前提とした思い込みかもしれないが。

iPodを聴きつつ帰宅しながら、曲を、レディオヘッドから、やはりkazuさんにもらったツェッペリンの'How The West Was Born'という3枚組のライヴに切り替える。これをiPodで聴くのは初めてだ。
1972年。'Immigrant Song'で、ロバート・プラントの声が、"On we sweep with threshing oar"の'oar'をちゃんと出すのを聴く喜び。
大好きな'Dancing Days'を聴いて愉悦にひたる。この曲はジミー・ペイジにしか作れず、ツェッペリンにしか演奏出来ない。可愛らしい曲だが、その可愛らしいお嬢ちゃんに、ジョンジーのベースとプラントのボーカルが文学的深みを与えている。そしてそのお嬢ちゃんを、ドラムが手加減もせずにがしがしと引っ張りまわして・・・ドラム・・・。
"Moby Dick!"とプラントが言う。うわあ。
爆音でボンゾを聴きながら歩く。うわあ。
いやちょっと。これ。うわあ。
笑い出す。ちょっといくら何でもこれは。何をするんだこのひとってば。はは。すごい・・・。
本当に笑っていたら、あちらから歩いてきた人がぎょっとして見ていた。夜道を笑いながら歩く女。iPodで落語でも聞いていると思われたか。もし私が、「いえ、ドラムソロを聴いてたんです」と言ったら、余計に頭がおかしいと思われるだろう。
家に着いたがドラムソロがまだ続いている。私はiPodのイヤホンをはずせず、興奮して家の中をうろうろと歩き回り、また笑う。次の授業の準備をしなきゃいけないんだけど、ボンゾがまだまだ叩いてて・・・表示を見たら、既に7分叩いていたが、あと12分叩くんだという。あ。あはは。は。

レディオヘッドのドラムにケチをつけた後に、これを聴いちゃあまずいだろう。せめて、人間と比べてあげないとね。

You're so fucking special (このひと普通じゃなくすごいわ)  *Creep / Radiohead (1992) の歌詞。



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