Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。
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お休み。珍しく寝る。
バーナード・マラマッド著「アシスタント」読了。何て美しい話だろう。人生の悲惨とか恥とか悩みとか、そういう一切のものをしっかりと見据えながら、その脇に少し離れて立っている「美」がある。それを「神」というんだと私は考える。 視点の定まっていない小説で、心象風景が次々と色んな登場人物のそれに変わる。小説作法の基礎としては、やってはいけないとされる手法だ。それが全く問題なく、個々の人物の裸の懊悩があっさりとぽんぽんと読者の目の前に投げ出される。 彼女は本を読む。彼は読まない。彼女は彼に「あんたは偉大な小説のいくつかを読まねばいけない」と言い、こともあろうに「ボヴァリー夫人」、「アンナ・カレーニナ」、「罪と罰」を読ませる。この時の彼の感想がいい。「ボヴァリー夫人」は「好奇心とともに読んでいったが、最後にはげっそりとし、嫌になり、冷たい気持になった。どうしてこんな婦人のことを書きたがったりするのか、見当がつかなかった」、「罪と罰」は「反発と興奮を同時に感じた。この連中は誰も彼も、口をあければ何かを告白したがった」とある。何とまあ、正しい感じ方だろう。 彼は、「読んでいるのは自分自身のことだという奇妙な錯覚にとらわれた」という。同時に私も、この、本を読まないイタリア人が自分と重なる。彼は決して何かを完成することが出来ず、弱さや罪の告白がひとを結びつけると信じる。
「アシスタント」の前には、ポール・オースターの「偶然の音楽」を読んだ。恐ろしい小説だった。 いくばくかの遺産を手にした男が、勤めを辞めて車で放浪を始める。途中で金がなくなり、奇妙な事情を経て、ある屋敷内に軟禁されて壁をつくり始める。 目的のない人生の自由と不安。そこに突然当面の目的を与えられ、思考を停止してよくなり、しかしやはりまた実人生に戻ろうとした時、ひとはどうすればいいのか。
今日は詩も書いた。 「belly」とは腹のこと。以前に飼っていた牝兎の柔らかい腹と、'02年に行ったアムステルダムのレッドライト地区(飾り窓がずらりと並ぶ地域)のイメージ。何もかも与える女の危険性を書いた。己と無関係とは言わないが、いつもの日記同然の詩に比べると客観性が高い。
Beautiful (美しい) *Smashing Pumpkins の曲。(1995)
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