ユミコのメモ箱
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川村記念美術館の『ロバート・ライマン展』を見に行く。
衝撃。 気持ちのよい空間。 ライマンの言葉、一言ひとことが、胸に刺さる。 もっと早くに見に来て、もう一度、見に来たかった。が、明日が最終日。 十年前の南フランス旅行で行ったシャガール美術館の時に匹敵する、衝撃。
表現って、なんだろう。 と、そんなことを考えさせられた。
偉そうに、「表現、表現」と言って、何をどんな風に描こうかなどということにとらわれて、そしてそこにあれこれ思想を詰め込むことに躍起になって、果たしてそれが表現と言えるのだろうか、と。
もう、後付けみたいな表現(とやら)は、うんざりなのだ。
もっと純粋なもの。 そうそう、子どもの描く絵のように。 そういう、作業的な、無心な、とらわれることのない線や筆跡に、 かなわないのはなんなんだろう、と、考えてしまう。
ライマンの『白』は『隠す』という意味合いがあるけれども、 新月が『無』ではないように、雲に隠された月明かりのように、 そこには何かが必ず存在していて、作家はそのことを知りつくしていて、 見る側がそこに何を見い出すか、もしくは『無』とみなすか、 そこが主題であり表現であり本質なのだと思う。 何かを伝えることではないのだ。存在を知らしめることでもない。 存在の可能性を提示すること。 もっとラフで、単純で、結論の一歩手前で、いいのだと思う。 『省略』や『削除』の行き着くところに本質があると思う、 表面的、技法的なところで、そう考えてきたが、 もっと、私(作家)自身の考えや思いをも、削っていかなければいけないのかも、 というところに辿り着いた。
今日、TVで山本容子が『消しゴムで消さない人生』について語っていた。 消しゴムで消さないことと、白で隠すこととは、矛盾しているようで、結局のところ同じことのような気がして、今日一日の私の収穫した情報が、ひとつの線に繋がったとひとり思い込み、妙な充実感。
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