けろよんの日記
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2012年04月07日(土) ベルリン1933

ベルリン1933
クラウス・コルドン 理論社 

マイミクさんたちの書評を読んで。

 書評ありきだったので、
「恐ろしいほど今の日本にかぶる」らしい
という認識はありましたが、
読んでる最中、何度も背中がぞわぞわします。

 巨額の賠償金やインフレのため疲弊した国民に
強い言葉でよりよい暮らしを宣言するリーダー。
大衆の聞きたい言葉を聞きたいように代弁する。

 当初は、歯牙にもかけなかった筈の政党が
つるべ落としの早さでで巨大化し、権力を握り、振るっていく。

 そのあまりの早さと周囲の変貌に
主人公と一緒に茫然としてしまいます。
今の日本もこういう風に変わっていってる?

家族や友達とフツーに健康に過ごす。
たまにはお楽しみも。
そういう世界はどんどん崩壊してる?

昔、石坂啓の本で
「自分は根性がないから、つかまって拷問されたりしたら
 すぐに宗旨替えしてしまう。」
 そのあととの言葉があやふやにしか覚えていませんが、
 「なので描ける間に描きたい、描くべき漫画を描く」のか
 「描かなくなったらそれはやばい社会になったということだ」
とか、そんなことを読んだように思います。

 私は根性がないから、きっと長い物には巻かれる、
快適な生活も手放したくない。

小説の後半で八百屋のおばちゃんが
ナチに狙われている登場人物が逮捕された際、
その母親のなぜ早く逃げなかったのか、、という問いに答えます。

「奥さん!あたしたちはぐずぐずしすぎなんですよ。
 なんでかわかります。
 少ない仲間に執着しているからですよ。友情もあるでしょう。
 わずかなお金を貯めていっしょに買ったがらくたの家具かも知れない。
 あたしたちは自分たちの居場所をもとめてる。
 それがまちがいなんですよ。それがあたしたちのばかなところ。
 まあ、そういう性なんですよ。」(P.503)

ところで、橋下市長の
「君たちは国民に命令する立場」
http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/archives/4891183.html

asahi.comで取り上げていたけど、
焦点は君が代の指導の方が主体で、
突っ込むとこ間違えてんじゃないのー?
と思いました。
ここってもっとワーワー騒がなくてもいいの?
いつもの毒舌・放言と思って放置してるのでしょうか?
でも、気付かない間に浸透しちゃったりしない?

あるいは、こうやって新人を持ちあげ(?)といて
その間に待遇をうんと悪くしたりするための
気持ちのやりばにするため?
「選ばれた人」と呼びかけ「職場を守ること」が
大きな仕事につながっていくって云々かんぬん。
アウシュビッツとかの強制収容所で
ナチスがユダヤ人の中から手下作って囚人を管理させる
シーンを思い出してしまったのは発想が飛躍しすぎでしょうか。


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