けろよんの日記
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2004年12月07日(火) 掌に胡桃

先月末から「真田太平記」池波正太郎を読んでおり、今折り返し地点に入った。
実は池波正太郎をちゃんと読むのは今回が初めてだったりする。ケーブルテレビの時代劇チャンネルで先月放送していた「真田太平記」の影響。
(若き日の真田信幸・幸村兄弟を演じる渡瀬恒彦・草刈正雄の凛々しいこと
・美しいこと。)
 戦国乱世に武田・北条の大名に挟まれた小名真田家のサバイバルの年月を描いた
有名な小説である。

 歴史的大事件については意外にあっさりと書き込まれ、真田家の収拾選択の経緯と影に働く草の者の活躍に視点が向けられている。歴史的事件・戦の度に兄弟の父
真田昌幸が炉を切った部屋で出処進退を熟慮する姿が何度も何度も出てくる。
まかり間違えば御家改易、一族郎党篭城の上討死という局面が何年・何十年にも
わたり続くのだ。テレビでは丹波哲郎がよく寝巻き姿のまま胡桃をいくつか
手のひらにのせグリグリと握りながら考え込むシーンへと細かい演出が
なされており、本放送の際には小学生だった私にもかなり強い印象となっている。

 そう思うとこれからの自分の選択など命までは取られまいという気楽さに
通じなくもない。(ネガティブな際は職業人生の終焉かもと思ってしまうが。)
真剣さにも周到さにも欠けているしね。
手元に胡桃はないが人生棚卸の時期ともう一度よく考えてみようと思う。


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