Jacarandaの日記
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2024年08月04日(日) 黒い電話機




四国の実家にあった電話 
 
電話嫌いの父が、頑固に固辞していた電話機 
 
その黒い電話機が 
ビックリするような大きなベル音を鳴らしていた 
 
流行のプッシュホンでもなく 
コードレスでもない 
ごく普通の黒いダイヤル式の電話機 
 
コードを思いっきりひっぱって、 
台所に電話を置いて、ガラス戸を閉めて  
ひっそりとダイヤルを回す 

帰省した私が、夜中にこっそり彼に長電話したのも  
友人に恋の悩みを相談したのも
  
この電話から 
 
「 明日、帰るからね 」と、電話すると 
 
電話口に出た父がぶっきらぼうに 
 
「 お母さんにかわるから 」 
 
今はもう、その電話が鳴ることはない 
夏休みをとって、私がその家に帰ることもない 
 
誰もいない家で 
その黒い電話機は埃をかぶっている
 


Jacaranda |MAIL

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