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2005年03月02日(水) |
大興奮時代(八十日間世界一周) |
ジュール・ヴェルヌ『八十日間世界一周』読了。
最後のたたみこみがスゴイ。 そして全編通して巧妙に張られた、 大どんでん返しの仕掛けにまんまとはまった。 細かい伏線も見事だし。 スリリングで、ユーモラスで、夢があって、 面白いよ、これ。
本を読んでいてこんなにハラハラドキドキしたのは久しぶり。 たとえば『指輪物語』もすごいけど、壮大すぎて実感がない。 ひきかえ、列車や船を乗り継いでいくだけの世界一周は、 その「少しの遅れが命取り」の実感がものすごいある。 だからこんなにもスリリングで、興奮してしまうのだろう。
事の次第は、世界一の冷静男フィリアス・フォッグ氏の思いつきなわけだけど、 もうひとりの主人公は、間違いなく、 誠実で勇敢、愛すべきおっちょこちょいのパスパルトゥー。 彼は、『指輪』のサムにも通じると思う。 (ヨーロッパにおける従者ってそんなイメージなの?) そのほか、聡明なアウダ婦人、自分の義務に忠実であろうとしたフィックスなど、 キャラクターのバランスも絶妙なのだ。
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