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2004年02月06日(金) |
空と家守 (空のひきだし、家守奇譚) |
いせひでこ『空のひきだし』読了。 雲に託したいせさんの心象風景。 「グレイ」シリーズを読むと、つい思い込んでしまうけれど、 いせさんの世界は、生活は、生き方は、グレイ一色ではなかった。 病気の犬も父親も、多大なる影響を与えながら、 けれど、いせさんの一部にすぎず。 時や空間を超えるいせさんの感性に、改めて感服する。
梨木香歩『家守奇譚』読了。 主人公は、河童やら小鬼やら摩訶不思議に驚きうろたえる。 けれど一方で、あっさりと受け入れもする。 摩訶不思議が、まかりとおる奇妙な世界。 けれど、別段なんのへんてつもない世界。 ゆらりゆらりと、波のようにいったりきたり。 このあいまいさがたまらなく心地よい。 ついでに、時は明治の頃らしく、ちょっと古びた文体がまた心地よい。
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