梨木香歩『りかさん』(文庫版)を読んだ。手法は児童文学なんだけど、深い。軽いんだけれど、実は重い。日常と非日常が滲むように溶けあう、不思議な世界。美しい文章、巧みな仕掛け。 やっぱり、たまらなく好きだ、梨木さんの作品。併録の「ミケルの庭」は書き下ろしの短編。こっちは強烈。一瞬たりとも気の抜けない感じ。胸がギリギリ苦しくなった。 なんというか、「業」というものを考えさせられた。