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2005年08月22日(月) そして治外法権地帯へ。(後編)

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<今日のニャン様>



見返りねこ




syggです。どうも。











前日からのつづき。






キティガイのごみの持ち込みは禁止


一応該当するかなあと思って、ゴミは捨てずに持ち帰りましたよ。






さて、まんまと馬ヘッド所持のまま基地内に侵入を果たした基地外。

よーし、早速馬ヘッド被っちゃうもんねー!とか息巻いておりましたところ、どうもそこかしこから

プレッシャーを感じるのです。


ふと見回してみますと








見張られてる!






更に高所からも!






ステージ上のバンドメンバーでさえも超マッチョ!






なんか普通にバズーカとかあるし!(地雷もあった)






ん?




け、警察犬ー!(しかも軍用)






上空、戦闘機が飛行していった後に




なんだ?




ひー!パラシュート部隊ー!





…そういえば聞いたことがあります。

犯罪大国アメリカ。

例えばお店のレジで、上着の内ポケットに手を入れただけで「銃だ!」と思われ、先制攻撃で

撃たれたりするかもしれないということを。

馬ヘッドをかぶったりすれば、それだけで「強盗だ」と認識され、上記戦力が総力を挙げて

捕獲にかかってくるかもしれない。「ジャスティス」の旗の下に、生死は問わない形で。

銃撃され、砲撃され、犬に食いちぎられ、コムロばりに楽器で殴りかかってくるんだろう。

さすがに命は賭けたくない。軍人さんはシャレにならない。

いざという時になっても、英語はしゃべれないので言い訳もできない。

逃げ場がない。そう考えると、急に怖くなり、怖じ気づいてしまいました。


まあぶっちゃけ、普通に家族連れとかに対してはフレンドリーに写真撮影に応じてたので、

馬ヘッドで記念撮影してもらっても大丈夫っぽかったのですが。

和気藹々とした家族連れの中、単身俺が馬ヘッドで写真撮影を依頼すれば、場の空気は

凍り付くに違いありません。子供はマジ泣きするかもしれない。

何より家族というものを大事にするアメリカ人。

空気をぶちこわしてしまった俺に対して、何をするかわかったもんじゃありません。

何も無いにしても、ものすごく不機嫌になりそうです。それが怖い。

現に軍事オタクっぽい男の人が、ニタニタしながら戦闘機とかについて話しているのを

外人さんはものすごく嫌そうな顔で対応しているのを見ました。

やばい。俺はああはなりたくない。

チキン野郎と言うなら言えばいい。一人ではリスクが大きすぎる!

せめて二人以上だったら。超心細かった。

来年は数人で臨んでみたい所存です。


ってことで、チャンスをうかがいつつも結局軍人さんとの記念撮影などはできませんでした。

一人で戦闘機をバックに馬ヘッド撮影をしようかとも思いましたが、そこらじゅうを軍人さんが

カートでウロウロしてるので、見つかったらそのまま轢かれそう。

妙にでかいゴミ収集車にそのままポイっと捨てられそう。

実際かなりの小心者である俺としては、会場内で一人馬ヘッド状態なんて大それたことは

できませんでした。ほんと情けない。いや、賢明な判断だったと褒めたい。






悔しいのでトイレ内で馬ヘッドのヘタレっぷり






まさに俺の目の前に、こんな越えられない「そり立つ壁」が立ちはだかっているような状態





こうなったらもう割り切って、普通に米軍文化祭を楽しもうとか思いました。

この日俺にとってのメインイベント「横田筋肉番付」がはじまる。

軍人さんが腕立て伏せとかの回数を競って限界に挑戦!的なイベントなのかと思いましたが、

実際は違い「ストロングマンコンテスト」の世界チャンピオンが来てそのパワーを

見せつけるような感じでした。

日本人参加者も居たんですが、チャンピオンには到底かなわない。まるで

「日本がアメリカに挑んでも、到底勝つ事なんてできないんだよHAHAHA!」

と刷り込むのが目的のような気がしました。

現にその通りです。ごめんなさい。勝てません。





114kgプラスαのバーベルを軽々と16回くらいリフティング





腕太すぎ





1.4tのバスも引っ張る




本当に生物学的上、同じDNAを持っている生き物なのだろうか。

絶対違うとおもう。ありえない。握力とか800kgくらいあるんじゃないか。


その超人的なパワーをまざまざと見せつけられながら、2時間あまりのパフォーマンスは終了。

陽も落ちてきたのでそろそろ帰ろうか、今日は残念だったけど、いい筋肉が見られたから

良しとするかと自分自身を納得させようと努力しました。

ふと見ると、イベント終了後にあのストロングチャンピオンがフレンドリーに写真撮影とかに

応じているではないか。

あ。軍人さんはシャレにならないけど、彼は軍人さんじゃない。

きっとシャレの通じるナイスガイに違いない。だってほら、あんなに笑顔だし。

筋肉の人に悪い人はいないって、昔の人が言ってた。

あれ、違ったっけ。まあいいや。言ってた事にする。



俺は一歩、二歩と彼に歩み寄る。

目が合う。

その眼力に一瞬たじろいだけど、「オー!グレイトパワァ!」って褒めたら彼の表情がゆるんだ。

ちょろいもんだ。

彼の上腕二頭筋、三頭筋をさわりまくる。かなり気持ち悪いと思われたに違いない。

俺もなんか、自分で気持ち悪かった。


いよいよその時が来た。

「プリーズ、テイクアピクチャー」

英語素人、英検三級の咄嗟の英会話なんてこんなもんだ。

絶対間違ってるよな、という自覚はあったけど、なんとか通じたみたい。

バッグから馬ヘッドを取り出す。かぶる前にもう一度彼の顔を見た。

笑顔が消えていた。目がすわっている。やばい、コロされる。

「…OK?」と言葉少なに同意を求めると、彼は無言で頷いてくれた。でも超機嫌悪そうだった。




そうして撮った写真がこれ。








撮影中、周囲からはどよめきや笑いが巻き起こっていた。

なんだ、大丈夫じゃないか。これなら軍人さんでもOKだったかもしれない。

俺の考えすぎだ。所詮馬ヘッド。そんなに害がある訳じゃない。

もっと自分に自信を持てばよかった。オドオドする必要なんて皆無だったんだ。


ポーズをキメて数秒後、背中に衝撃を覚えた。

彼が背中を平手で叩いたのだ。なんだ、あんたは猪木か。

胃が口から飛び出そうになりながらも、厚く感謝をし、堅く握手をして撮影完了。

やった。ミッションコンプリート。ありがとうチャンピオン。ありがとう撮影してくれた

見知らぬおっさん。おっさんはすごく不機嫌そうに、無言で撮影したデジカメを

俺に突き返した。馬ヘッドに怒ったのだろうか。ごめんよおっさん。



浮き足立つ帰り道。

歩きながら、先ほど撮った画像を見返してみる。

うひー、腕ふとい。こんなのに首絞められたら首が引きちぎれてしまうんだろうなあ。

さっきはコロされなくてよかった。話のわかるナイスガイでよかった。

思いを巡らせながら画像を見ていると、ある事に気づき、やがて足の震えが止まらなくなった。















ゲゲーッ!俺の心臓に、拳がロックオン!



あ、あぶねえ・・・。

ヤツは殺る気マンマンだったんだ。あと少し拳を突き出せば、俺の心臓はその凶器によって

ぶち抜かれ、ズタズタにされるところまできていたんだ。

彼の気持ちがあと数センチ、怒り方向にズレていたら。俺はこの世にいなかったかもしれない。

・・・・・恐怖で尿もらすかとおもった。





江田島平八があと10人いたら、日本はアメリカに戦争で勝っていたという。

しかし逆に考えると、あの江田島平八があと10人いなければアメリカには勝てなかったと

いう事になる。江田島平八9人では、アメリカに歯がたたないのだ。

それだけ強大な存在に挑むのはあまりにもハイリスク。ほんとアメリカ怖いって思った。

今ある命に感謝をし、今後もあまり無理しない程度に馬ヘッドっていきたいと思いました。





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書いてる人:しぐ

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