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2005年04月08日(金) ノンフィクション 短編ミステリー。

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<今日のニャン様>



悩ましげなポーズ




syggです。どうも。











彼は突然、謎の失踪を遂げた。


俺がコンビニに入っていたほんの30分の間に、相棒は忽然と姿を消していた。





奴はいつも俺の言いつけを守る。

相棒という表現を使ってはいるが、実際は俺の言いなり。あやつり人形だ。


「ここで待ってな」

この日も俺は奴にこう言いつけ、買い物をしている間外で待たせていた。

奴は文句を言うでもなく、無表情で立ちつくす。

その姿に安心し、俺は店内に入っていった。



「主人と奴隷」

こんな言葉が似合うような関係だった。

しかし俺は奴を必要としていた。奴が居ない生活など、考えられないまでになっていた。

逆に奴にとっても俺は無くてはならない存在だった。

俺が居ないと何もできないのだ。だから奴は、俺にいつも従順だ。


奴と出会って8ヶ月が過ぎ去ろうとしている。今では空気のような存在であり、出かける時は

大体一緒だった。




一体、どこに行ったんだ・・・

店を出て相棒が居ない事に気づく。

奴が居るはずの空間には何もない。ただ歩道と車道を区切る為の、背丈の低いフェンスが

あるばかりだった。

こんな事は初めてだった。やはり相棒は日頃からフラストレーションをためていて、

とうとう今日それが爆発。俺の元を去る事を決めたのだろうか。

別れというものは、こうも唐突に訪れるものなのかと思った。

出会いがあれば別れもある。それは仕方のないことだ。しかし突然すぎる。

そんなそぶりも見せなかったし、何も告げずに去ってしまうなんて酷くないか。相棒よ。



・・・いや、そんなはずはない。なぜならば奴は、俺が居ないと何もできないんだ。

以前こんな事があった。

雪が降り、自分の事で精一杯だった俺は、待っているよう言いつけておいた相棒を

外に残したまま家に帰り、そのまま3日くらい迎えに行かなかった。

雪もやみ、傘もいらなくなった頃に迎えに行った。正直俺は、相棒が腹を立てどこかに行って

しまっているだろうと思っていた。それほどひどい事をしたのだと自覚があった。

しかし奴は待っていた。雪に降られながら、寒さにかじかみながら、その場所で待っていた。

やはり奴は、俺を必要としている。いや、俺が居ないと何もできないのだ。そう確信した。



だからこんな晴れた何もない平穏な日に、相棒が居なくなるなんて考えられなかった。

俺は奴の影を探し、近隣を捜索しながら考えを巡らせていた。


まさか・・・誘拐・・・?


相棒はあまり自己主張をする方ではない。というか無口で、感情を表に出さない。

何をされても表情を崩さず、俺の言われるままに動いた。

誘拐犯が奴を誘い連れ出しても、恐らく抵抗することなく、その無表情のまま言いなりに

なってしまうことだろう。


きっとそうだ。

何者かによって相棒は連れ出された。

何者かによっていいように扱われ、今頃はその犯人の欲望のままにあやつられているんだろう。

いくら感情を表に出さない相棒とはいえ、内心不安でいっぱいだろう。

お互いに唯一無二の関係でいた仲だ。それくらいはわかる。

一刻も早く、助け出さなくてはならない。



警察に連絡を入れたのは、それから20分ほど経った後だった。

誘拐事件である確証は無かったが、最悪の事態を想定して警察には伝えた。

俺は相棒の本名を知らなかった。いつも愛称で呼んでいたからだ。

しかし奴には幸い、特有の「識別番号」というものが存在していた。

番号を告げ、電話の向こうの警察の方に丁重にお願いをして電話を切った。

こういう時、電話であるにもかかわらずお辞儀をしてしまうのは何故だろう。


警察に連絡を入れた後、相棒が消えた周辺をもう一度捜索しようと思ったが、やめた。

何故だか知らないが、相棒はもう近くには居ないのだ、漠然とそう思った。





一日が過ぎた。

警察からはまだ何の連絡も無い。

仕事から帰る途中、相棒が消えた辺りを捜索する俺がいた。

いてもたってもいられないのだ。


ただ闇雲に、相棒の姿を探す俺。

もしかしたら戻ってきているかもしれない。

もしかしたら少し場所を移動して待っていたのかもしれない。

変わらぬ無表情で、俺の前に現れるかもしれない。

祈りにも似た気持ちで辺りを見て回る。

相棒がこの辺りで見つかる可能性は無いに等しいだろうという考えは頭の中にあった。

しかし、今の俺にはこんな事しかできない。俺は今、できる事を精一杯やっておきたい。


そんな俺の目に、それは唐突に飛び込んできた。




事態は急展開を見せた。

俺は見つけた。犯人が残した足跡を。

100%の確証がある訳ではなかったが、これでほぼ間違いなく俺は相棒の元に

たどり着く事ができると思った。

ほっと胸をなで下ろした。しかしまだ戦いは終わっていない。

むしろこれからが戦いなのだ。勝負は明日。午前中にしよう。

今日は明日に備えて眠る事とする。戦うにはまず、休息が必要なのだ。

しかし俺は、心に炎をたぎらせ、夜空に誓った。


待ってろよ相棒。俺は絶対に、お前を連れ戻す。






















チャリかよ!(バレバレでしたか)



いやまじで。

こういうのって、最低でも一昼夜くらい警告の札かなんかつけた上で撤去するんじゃないの?

いきなりそこにある自転車をそのまま持って行くの?

買い物してるほんの30分程度の間に!なんだこの仕事の早さは。ありえない。

マジで盗難されたかと思ったよ。警察に盗難届のキャンセル電話入れなきゃ。

東京ってば恐ろしいところだ。


コンビニで買い物するのに、店の前(駐輪禁止区域って看板がある)に大量の自転車が

駐輪してあってとめられないから、わざわざ店から少し離れた、駐輪禁止とかの看板が

無い所をみつけてとめたのですよ。

それを問答無用で撤去して、はい引き渡し料2500円だあ?

ふざけんな!

くっそう、役所に抗議の電話とかしてやる。


とりあえず。

こういう事だけ仕事が早い練馬区役所の役人、並びに委託会社は、まじでしねばいいとおもうよ。


ほんとに。





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書いてる人:しぐ

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