ぶらんこ
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2010年11月06日(土) さまがわり

日本へ帰ると脳みそが日本人になる。成田空港に到着するとキッチリ感じる。変な感覚。今までの自分はなんだったんだ?と思う、しみじみ、思う。
厳密に言うとそれは飛行機に乗ってる間、だんだん日本に近づくにつれ変わっていくのだろうなと思うのだけれど、
最近は気付かない(意識しない)うちに到着してしまっている。
飛行機が完全に停まり、人々が立ち上がって荷物を取り出し列となり、そこへ自分も加わって機外へ出る。
と、そこに「ようこそ日本へ」なんて文句が視界に入ってきて、たちまち変な気分になる。
「おかえりなさい」とか書いてあるといいのに、日本人向けに。
そういえば成田空港が変わっていてドギマギしてしまった。
間違った場所に向かっているのかもと、つい周囲のおばちゃん達の会話に耳をそばだててしまった。
最近変わったらしいことがわかり、ほっとする。
気を抜けんな〜。都会はどうもいかん。性に合わない。緊張してしまう。
でも日本語だからなんとでもなる。外国にいるときの心細さのようなものは殆どなくなる。開放感。



鹿児島空港に到着すると、気持ちはだいぶゆる〜く、かごんま〜な感じになる。
家族が迎えに来ていて(今回は姉が迎えに来てくれた)、顔を合わせた途端、いわゆる素の自分に戻った。
でもそれは、だからと言って、ここで暮らしている自分が本当の自分じゃないということではないのだろう。
家族と一緒にいる自分は、娘になり妹になる。それは一種の安心感、心地よさ、甘美な喜び。
ただ「いっときのこと」と知っているからなのかも?



島へ帰ると、また違う。島のあの空気は独特だ。
島へ降り立つと、鹿児島でさえも「内地(やまと)」と再確認するのか。
身体のすみずみまで、細胞のひとつひとつが一旦細かく取り壊され、また新たに作り上げられる、大袈裟ではなく。
島の空気が自分のなかにしみ込み、潤し、魂を震わす。還る場所はここなんだ、と実感する。

・・・のだと想像する。今回は帰れなかったからねー残念。










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