ぶらんこ
indexpastwill


2004年08月26日(木) バリア・フリー

近所にとても良い温泉施設を見つけた。
「健康ぷらざ」という名前のその施設には、温泉を利用したプールがある。
「温水」プールではない。れっきとした「温泉」プールだ。
プールの後にはお風呂にも入れる。しつこいようだが、もちろん温泉のお風呂。
プールも温泉も(望むのであればジムも)すべて利用しても300円なり。
素晴らし過ぎる。感涙モンだ。

そのことを母に話したところ、母は是非連れて行って欲しいと言う。
膝の悪い母には、きっと良いに違いない。
でも施設を利用するには水着が必要だ。買わねばならない。
しかしそれよりも、母に水着を「着せる」ことが想像出来ない。
・・・思わず噴出してしまった。


そういうワケで、少し前から母が来ている。
このところ、脚全体にしびれと痛みがあり、リハビリが思うように進まなかったからだろう。
成果はともあれ、ひきこもりがちだった母が外へ出ようとしていることが嬉しい。

母のために水着を購入し、早速出かけて行く。

水着(&水泳帽)姿の母は、とてもかわいい。
見ているだけで楽しくなってしまう。
そして、母もわたしの姿を見て笑っている。
わたしたちは笑いながら、プールの水のなかへと進む。


母が水のなかを歩く。
脚が軽い、と言いながら歩く。
「跳んでみるといいよ」とわたしが茶化す。
「そんなことしたら体が倒れるよ」と母は言う。
「浮力があるからおぼくれないって」と、わたし。
すると何も言わずに母は笑っている。


母は何周も何周も、水のなかを歩いた。
わたしはときどき泳いだり潜ったりして、顔を出しては母に手を振る。
こころがシンクロの真似をして、突然水中からわざとらしい大きな笑顔で飛び出す。
母はそれを見て、笑い転げながら歩いている。



水のなかはバリアフリーだ、とよく聞く。
本当にそのとおりだと思う。
母のあんな笑顔を見られただけでも、充分だ。。。



余談だが、ちょっと不思議に思ったことを母に尋ねてみた。
「水着着るの嫌がるかと思ったけど、そうでもなかったね」
すると母はこう言った。

「ちゅぬ シマなてぃ へぃき」

なるほど。。。そういうこともバリア・フリーというわけか。笑


marcellino |mail