ぶらんこ
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ずっと昔、運転中に動物を轢いてしまったら決して振り返ってはいけない、と聞いたことがある。 可哀相と、思うことさえも良くない、と言われた。 理由は、その動物の魂が付いてくるから、だそう。憑いてくる、という意味だったのかもしれないが、よくわからない。 そんなことを言われても、、というのが実感だった。
今朝、道路の真ん中あたりで猫の死骸を見た。 正確に言うと、猫かどうかはわからない「それ」をよけて、通り過ぎた。 思わず、声が出た。 その子の変わり果てた姿を横目に確かめながら、十字を切った。 もう離れてしまっているであろうその子の魂のために祈った。 けれども、わたしは車を停めてその子を抱き上げ、葬ることはしなかった。 きっと、触れることすら出来ないだろう。 ―いのちは形じゃないのに。
病院へ行った。 これまで行けなかったわけではない。 いろんなことが湧き出るように起こっては過ぎていき、その中で自分のことが後回しになっていた。 出来れば行きたくなかったから、というのもある。 病院はいつだって好きじゃない。
でも、今日は奮起して行ってきた。 そして、思ったよりは嫌な思いをせずに済んだ。 行ってきて良かった、とも思う。 これから、自分のことをもっと大事にしよう、と、素直に思う。 わたしを後押ししてくれた家族や友人たちに感謝している。
いのちは形じゃない。 いのちは響き合うもの。
生も死も、いのちだ。
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