ぶらんこ
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2004年08月20日(金) いのち

ずっと昔、運転中に動物を轢いてしまったら決して振り返ってはいけない、と聞いたことがある。
可哀相と、思うことさえも良くない、と言われた。
理由は、その動物の魂が付いてくるから、だそう。憑いてくる、という意味だったのかもしれないが、よくわからない。
そんなことを言われても、、というのが実感だった。


今朝、道路の真ん中あたりで猫の死骸を見た。
正確に言うと、猫かどうかはわからない「それ」をよけて、通り過ぎた。
思わず、声が出た。
その子の変わり果てた姿を横目に確かめながら、十字を切った。
もう離れてしまっているであろうその子の魂のために祈った。
けれども、わたしは車を停めてその子を抱き上げ、葬ることはしなかった。
きっと、触れることすら出来ないだろう。
―いのちは形じゃないのに。



病院へ行った。
これまで行けなかったわけではない。
いろんなことが湧き出るように起こっては過ぎていき、その中で自分のことが後回しになっていた。
出来れば行きたくなかったから、というのもある。
病院はいつだって好きじゃない。

でも、今日は奮起して行ってきた。
そして、思ったよりは嫌な思いをせずに済んだ。
行ってきて良かった、とも思う。
これから、自分のことをもっと大事にしよう、と、素直に思う。
わたしを後押ししてくれた家族や友人たちに感謝している。



いのちは形じゃない。
いのちは響き合うもの。

生も死も、いのちだ。


marcellino |mail