限定鼓動

2012年09月21日(金) 靜夜

8年前の今日
母さんが死んだ。

夜半
徐々に弱っていく呼吸に
あたしは何も感じずにいた。

死ぬ、ということ
貴女がいなくなるということ
理解できず、想いもできず
思考を追うことも
泣くこともできず
只、貴女を看ていた。

静かな、静かな病棟の廊下を
ひとり
黙々と歩いていた。
呆然と。


ふと見上げた時計に
夜半
貴女を看取った時間を想う。

泣かなかった。
泣けなかった。
貴女の呼吸が止まった意味を
何一つ
考えられずにいた。



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陽 [MAIL]