8年前の今日母さんが死んだ。夜半徐々に弱っていく呼吸にあたしは何も感じずにいた。死ぬ、ということ貴女がいなくなるということ理解できず、想いもできず思考を追うことも泣くこともできず只、貴女を看ていた。静かな、静かな病棟の廊下をひとり黙々と歩いていた。呆然と。ふと見上げた時計に夜半貴女を看取った時間を想う。泣かなかった。泣けなかった。貴女の呼吸が止まった意味を何一つ考えられずにいた。