* Droppingwell *

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2006年01月27日(金) 250th

「こんなに腹を立てている人間は、秩序も節度も企みもみんな踏み越えてしまうものですから、音楽だってそうなるはずです。しかし情熱というものはどんなに烈しかろうと、人に嫌な気持ちをおこさせるところまで表現すべきでないし、どんなに恐るべき箇所だろうと、音楽はけっして耳をそこなうようにはなってはならず、やはり耳を満足させる、つまりどこまでも音楽でなければなりません・・・」
  (――「後宮からの逃走」を作曲中のモーツァルトが、父親に宛てた手紙より)

モーツァルトの音楽の神髄はまさにここにあるのだと思う。
音楽は音楽以外のものを表現する必要はなく、あくまで美しいものでありつづけること。音楽は何かのメッセージでもなければ癒しの薬でも元気になるための道具なんかでもなく、音楽それ自体に感動できるものであること。至高の音楽というのはそういう純粋なものなのだと思う。
今日はセレナーデ7番を聴いていた。美しい旋律と和音と音色。これ以外になにを求めよう。


かほ |MAIL