僕と君と世界の距離を

2004年02月22日(日) ジョゼと虎と魚たち

を、観ました。ネタバレは、あると思います。
これから観たい人は気を付けてください〜。
いつもの感想より2割増多いです、ネタバレ。たぶん。


ジョゼを観る前「わらういえもん」(全部平仮名かい…)
も観ましたがジョゼに全部持っていかれ
本当はゼブラ−マンも観る予定だったのにやめてしまった。
パンフレットも買う予定だったのに買うことを忘れてしまった。

呆然と映画館から出てとりあえずトイレに行きました。
トイレを我慢していたことを思い出したからです。

ジョゼ〜は、なんだろう…いっぱい泣きました。

私が泣くのはいつものことなんですが(ほんとよく泣くよ)
(日記をぱらっと読み返しただけで3回くらい泣いてる)
涙腺がぶっ壊れているんでしょうか。でもみんなが泣いてても
まったくかすりとも心が動かないということもあるので
泣きのシーンで必ず泣くというわけでもなく。
むしろ泣きのシーンでないとこで号泣ってこともあり。
以前さらりと読み流していた場面を
再度みたときボロボロ泣くとかもあり。


んで、ジョゼ。


一人の男の子が女の子に出会って、恋をして、
依存されることに疲れて、愛情の重さに逃げ出して、
また二人が、一人と一人になっていくお話です。

恒夫をえらいと思いました。
傷付くことや、傷付けることから逃げずにいたのが。

私は恒夫みたいになれずに、踏み込むこともしないまま
ただ手を離して来た人間だからです。
人も自分も傷付きたくなく、
我を失ってしまうことを何より怖く思い、
あらゆる事態ををシュミレーションしてしまう子だからです。

そしてたった一人、とてもとても好きなひとができたときに
失うことが怖くて怖くて、返ってくる愛情もうまく受け取れず、
誰よりもその人の幸せの中にいたいと願いながら、
それが叶わないのなら誰よりも遠い場所にいたいと願った。

臆病で、ちいさい。


ジョゼと恒夫は、とても素敵でした。
自分と相手が傷つき合うことを恐れず、
ちゃんと向かい合って恋をした。
不安も喜びも悲しみも苦しみも2人は共有しあった。
2人だけで完結していた。誰も、侵入できなかった。



好きな場面はたくさんありました。

恒夫がジョゼを喜ばせたい一心でうば車を直したり
ジョゼが読みたがっている小説を探したり。
ご飯を一緒に作ったり、2人で散歩をしたり。

恒夫が、ジョゼの手をはじめて握るとことか。


ジョゼが恒夫に「帰れ!」というシーンも大好き。
帰れと言いながらジョゼの帰らないでいて欲しい、
という気持ちに溢れ。


そしてラスト。

恋で無くなったから、出ていった。

出ていった恒夫。
それをみて恒夫は本当にジョゼに恋をしていたんだ…と思った。
恋だけだったんだ、と。同情なんかかけらもなかった。

恒夫にとってジョゼが障害者だとか
ひとりぽっちだとか、そういうことが関係なかった。
鈍感で、正直で、素直な恒夫。
だからジョゼと恋ができた。

恒夫は本当にバカなんだけど(笑)
ジョゼはだからこそ恒夫に心を預けたんだな、と。

苦しくも、いとおしい恋です。


こんな恋は…できない、きっと。


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