久しぶりに向き合う 小さなテーブルを挟んで
疲れてるの? 思いやる言葉も、ぎこちない程
途切れがちになる会話を 必死で繋いで
“そこ”に触れないように “それ”を言い出さぬように
この街に闇の帳が下り始める頃 慌ただしく地下鉄の駅へと流れる人波
冷たく澄んだ空気の中に映える、 夜の報せを伝える、煌びやかな街の灯
何か久しぶりに見る光景 変わらない、目の前にいる君のように・・・・。
ねぇ 俺は時々心に浮かぶ絵があるんだ
それは・・・ひざを抱え、薄暗い部屋の隅で 煙草をくゆらせながらぼんやりしてる姿・・・
落ちそうになってる灰に全く無頓着で ため息混じりに煙を吐き出して
泣いてもいない、笑ってもいないその横顔は すべての感情の機能を停止させているようで
否、ひとたび感情が己の肉体に戻れば、 孤独が、塞き止めた涙を押し流し始めるのを知っているから、
まるで嵐が過ぎ去るのを、為す術もなく じっと待っているだけの人のように
まるで神に与えられた、 たった一つの使命でもあるかのように
まるで悪魔に囚われて、 虚無と言う名の独房の中にいる囚人のように
来る日も来る日も、薄暗く寒いその部屋で まんじりともせず、じっとひざを抱えてる
そんなイメージをいつも、 元気のない笑顔に重ねてしまうよ。
「明日は、きっと良くなるよね?」 そんな慰めは要らない
「明日を、きっと良くしてあげるよ!」 そんな偽善は要らない
愚鈍な僕の、精一杯の優しさを、 やわらかく拒絶して
「仕方がないのよ」と、力なく笑いながら 「仕方がないのよ」と、力なく頷きながら・・・。
帰りの地下鉄は、会社帰りの人たちの 人いきれと騒がしいnoiseでむせ返る
君の言葉も僕の独り言も 簡単にかき消してしまう
さっき街中のビルボードで見たはずの 明日の天気予報はなんだったけ?
明日も晴れたらいいよね? 明日は晴れたらいいよね?
いつかきっと すべてが報われるように
いつかきっと すべてが救われるように
○ memories of you / fridge
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