スイス日記
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2004年08月02日(月) |
「バカの壁」を読んで、一言書きたくなっちゃいました・・・。 |
実は3連休なんです。
今日(8月1日)はスイスの建国記念日。だから、明日は振り替え休日。 至る所でお祭りみたいなのをやってるし、花火も、金曜、今日(日曜)、来週の土曜と行われます。
なのに〜なぜ〜、
私は今12時間おきに職場に必ずいかなければいけないという仕事の真っ最中です。 つまり・・・、どこにも行けないんです。かなしー。今日も昼に行って、また夜、行ってきます。
なので、今日の昼間は、湖のほとりにでかけて、またいつものようにでっかいタオルの上に寝そべって、だらだら。お祭りなので、湖にそって、いっぱい露店がでていて、インド料理、メキシカン、スペイン料理、アフリカ料理なんでもあります。ビールを買って、おつまみかって、タオルの上でだらだら。
日本だと考えられないですけど、今日のように暑い日でも木陰にいるだけで、外はすごーく涼しいんです。(アパートの部屋は昼間はめちゃめちゃ暑いんですけど。多分、冬寒くないようにいろーんな工夫がされているのが裏目に出てる気がする。)そういえば、インドネシアに行った時も、日向はめっちゃ暑いのに、カフェの中でエアコンなしでOKみたいなことがよくありました。やっぱ、湿度の違いでしょーか。
で、だらだらしながら、本を読もう!と、今さら、「バカの壁」に挑戦。 これ、大分前に買ってあったんですけど、最初の2、3ページで挫折して、その後、葬り去られていました。で、再度挑戦。今日は半分ぐらいまで読めました。(って、ほとんど昼寝してたもので・・・)
養老先生、実は前のボスの友達で、何度かお会いしたことが有るんです(←ちょっと自慢!!)。たばこばっかりもくもく吸ってて、お茶目な先生です。講義も面白いです。かなり。
でも、本は・・・。 ちょっと、おじいちゃんが最近の若者は!っていってる感じですね。おじいちゃんが今の若者(多分、先生にとっては東大の学生)がよくわからない。勉強もしない。なんでだー、何が昔と違うんだー。そうだ、今の若者は、自分のことを不変だと思ってるんじゃないか。というようなお話です。
でも、自分が全然変化しないものだととらえている人間なんて本当にこの世にいるんでしょーか。自分だけが唯一、自分を変えられる、だから、自分をできるだけ自分の好きな自分に変えられるように生きて行こうっていうのが生きて行くモチベーションのはずです。もちろん、子供の頃からそういうことを自然に親から学べる人もいれば、自分が苦労して苦労して、なんでこんなに生きにくいんだろう?と考えた末に、そういうことがわかってくるという人もいると思います(私は間違いなく後者です。)。でも、遅い早いの違いはあっても、みんなそうやって徐々に(年を取って行くうちに)、人間は変われるものだと気付いて行くのだと思います。
ただ、昔と今の違い(今といっても、私たちの年代のことですが。10数年前?の大学生。)は、そういうことを親から自然に学べる人がすごーく少なくて、大学生あたりではまだほとんどの人がそういうことに気付いてなかったというだけのことではないかと思うのです。
小倉千加子さんが書いた「結婚の条件」という本が有ります。彼女も大学の先生ですが、彼女は今の少子化の原因は太平洋戦争にあると断言しています。私、この意見、すごく肌でわかります。
私の母は、戦時中に生まれて、生まれてからあまり動かず、泣かずの赤ちゃんだったそうです。しかも、長男を切望する明治生まれの両親のなんと6番目の女の子。男の子が欲しくて欲しくて、子供をえんえん作っているのに、生まれてくるのは女ばっかり。しかも、母は6番目。しかも、母が生まれた1年後には待望の長男が生まれているわけです。
母は、一度竹やぶに捨て去られて、でも、一生懸命その時泣いて、結局保護されたという経験も持っています。小学生時代は家の外では一言も口をきかない子供だったそうです。
こういう人間が大人になって、子供を持つとどういう結果になるか?初めての、自分だけが思いどおりになる、自分だけが独占して愛情を注げる赤ちゃん、それが私です。母の独占欲・・・本当に言葉では言い表せません。
で、思うに、戦中戦後、母のような人たちがたくさんたくさんいたはずです。で、その子供が私たち。家族に何か期待できますか?結婚して、いいことが想像できますか?
で、私たちが少子化をつくってるわけです。 で、私たちが、まともに人間の生き方(親の世代は子供時代を人間のように生きてないわけですから。)を親から習わなかった世代なわけです。
一般的な傾向として、戦争時代を子供時代として過ごした人たちというのは、戦争がその後に与えている影響をあまりにも過小評価している気がします。もう少し、分別がつく年代で戦争時代を過ごしている世代というのはもっと戦争を重大なこととしてとらえていますが、小学校低学年ぐらいだと、その時の教育の刷り込みがすごく大きいし、それこそ無意識にそうなってしまっているのだとは思いますが。
最近の子供たちの、キレ方、前頭葉が弱くなってる云々の話はまた別の原因があるのでしょう。でも、少なくとも、養老先生が教えてた頃の東大生の頭の悪さ、幼稚さというのは、その親の世代の悲惨な子供時代に大部分起因するのでは?と思います。
あー、ゆったりした休日話だったのに、本を読んで、ちょっと言いたくなってしまいました。こんな性格、直したーい。
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