プープーの罠
2011年08月24日(水)

マグロ

ダイジェスト2:
からだとこころ。

通勤には都営線を使っていた
のですが、ある日 総務から
「あなたの住んでいる処からだと
 東京メトロ で乗り換えるのが一番安いです」
との通達を受けてしまい、

経費削減も兼ねて
遠回り分の交通費を申請している人を
片っ端から検挙していたようなのですが

そんなことは最初から重々わかってはいた
のだけれど、前の会社への通勤の際に
日々 パニック発作で苦しみながら
無理矢理乗っていた 東京メトロの最寄り駅 には
とてもとても厚い層の トラウマ が形成されていて
ホームに立つだけでも血の気が引いていくのは必至、

私はもう乗れなくなっていたのだった。

恥を忍んで直属の部長に相談したところ、
「嘆願書を書いてみたら?」
とのことで

さらに恥を重ねて総務部長に嘆願書
なるものを出すも
「例外を認めるわけにはいかないので
 どうしてもというのであれば診断書等の証明書をください」
とのことで

診断書って、心療内科 とかですよね…


かくして私は引っ越したのでした。
一人暮らしを始めてから転々としつつもずっと住み続けた区を出て
極力 電車に乗る時間が短いところへ。

一時期に比べればだいぶ融解はしている
にしていても
きっぱりと治るものでもなく、
天気が曇りだったり
気温がゆるかったり
すると身体がふわふわするし
すぐに のぼせる、すぐに息が上がる。

それでもしんどくなったら電車を降りられる、
あと一駅我慢すれば良い と 自分に言い聞かせられる、
どうしても乗れなかったら歩いてでも帰れる、
そういう細かいことが
染み付いたプレッシャーをだいぶ
軽くしてくれているのは、確か。



ふと、これが 逆 でなくてよかったとも思う。
あの
症状が一番ひどい時に もし
都営線で通勤していたとしたら、、、


都営線にはホームドアがなくて
メトロにはある。


あの症状が一番ひどい時に もし
都営線で通勤していたら
取り乱して線路に飛び込んでいた

のではないかと思ったりする。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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