プープーの罠
2007年08月11日(土)

待つキリン

 『仕事は定時で終わるし、
 平日でも休日でもいつでもいいよ』


と八木君に返事をしてそれから
私は毎日毎日メールを楽しみに待っていた。

1週間くらいしたら
 『今日あたりどうですか?』
とこちらから連絡をしたりした。

 『ごめん、明日〆切だから今日は無理。』
 『そっか残念じゃあまた今度。』
1週間ずつくらい間隔をあけて
2回ほどそんなやりとりをした。

タイミングが悪かったのだろう
と、さほど気には留めていなかったが、
3回目にメールをしたらその日は返事がこなくて
次の日もこなくてその次の日に
 『ごめん手が離せないから』
と一言だけ返ってきて

あぁ八木君の中で私の誘いはすでに
負担
になっているのだと思った。

いくら間隔をあけようがあまり関係ないのだ。

たとえ本当に忙しいのだとしても
代替案のない断りの返事がくると哀しくなる。
これしきのことでそうなら
やはり私は彼と上手く付き合って
いくことは無理だと思う。

私からの連絡はなしのつぶて。
八木君がまた連絡をくれるのを待ってるしかない。

明日〆切だと言うのなら明後日
誘ってくれるかもしれない
そんな期待をしては外れる。

八木君から誘われたのは妄想の中
だった方がいっそ清々しい。

待つのってやだわ。
どんどん寂しい気持ちになる。

 Q. それを乗り越えるには?

 A. 待つのをやめよう

それが私の方程式だ。
後悔するのは目に見えていても
同じことを繰り返そうとし、
同じことを繰り返す。

私の出す答えは
私の欲しい結果にはならない。

寂しくて八木君と別れた。
いっぱい泣いて後悔して
何年経っても忘れたりできなかった。
ようやく巡ってきた ふりだしに戻るチャンス を
また同じ理由で棒に振りそう。

 『じゃまた今度』
と返事をするのは止した。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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