プープーの罠
2007年01月23日(火)

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引っ越してまず、私は28歳になった。
また新しい年が始まる。

27歳の私はいいもんじゃあなかった。
怒ってばっかり、泣いてばっかり、
おかしな嫉妬にとり憑かれて
 こんなはずじゃないのに
と思いながらも、思い出は腫瘍のように
私の中で膿み、
ちゃくちゃくと腐敗していった。


日付が変わってすぐ、
早稲田君からメッセージがきた。

 『おめでとう』

よりもイイワケの方がたらたらと長いメッセージ。

それは相変わらず全体的に
 君のせいであんなことになったんだけど、
的 言い回し 或いは
私の悪意ある被害妄想なのか。

その長いイイワケの最後に
控え目に付け足された、
 『今でも好きです。』

私はお祝いのお礼の言葉と
 『今年はあんまり泣かないようにします』
と、皮肉または嫌味をそえて返信をする。

もう泣かない。
君の存在は私の中からまるごと消去するからね。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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