プープーの罠
2004年10月21日(木)

a la carte de sign.

まだまだ忙しい。

今回の仕事は年配のデザイナーが企画に立っている。
この会社のWeb部門の総責任者だ。
通常、プランナーは企画を作る時に、
PowerPointで構成要素と文字原稿の
おおまかなレイアウトを組んだデータをくれる
のでそれを見てデザインしていくのですが、
この人はさすがデザイナーといいますか、
PhotoShopで作る。
そしてほぼデザインが完成しているようなデータ
ここまでやったなら一人で最後までやりゃいいじゃねぇか的、
私がデザイン担当として介入するほどではない
感じにまで詰めた状態でくれる。

そこまでやってくれた
ら、後はやりやすいでしょう?

ところが問題なのは、その
データはPhotoShop3.0で作られた
というところであり、3.0というのは
コマンドz(やりなおし)が1回しか効かない、
テキストは打ったそばからアウトライン化
されてしまうという、7.0を使っている私
からしたらとても恐ろしいバージョンである。
そんな3.0で作られたデータは当然
文字はラスタライズ済み、レイヤーも努めて統合されている。
文字原稿に1字でも訂正が入ったら
まるまる打ち直しなのである。
フォントを少し変えた方が良い、
サイズを大きくした方が良い
と思っても、妥協したくなるほどに
それは面倒であり、これがPowerPointならば
テキストのコピペができるし、打ち間違いのミスもない。
つまり、やたらキレイな指示書、という以外の何物でもなく、
使えないデータの作成に時間をかけられるくらいなら
紙にラフで十分なのだ。

私はクライアントではないのだから、
完成イメージをわざわざ精細に具体化
されなくとも想像できるしそれが
私の仕事なのである。

一方で、そんなやり直しの利かない環境で
ここまで作れるのは大したものだと感心し、
けれど、時代について来ないならば、
デザイナーとしてはもう終っている
とも思う。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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