プープーの罠
2004年04月15日(木)

激変

取り引き先に挨拶がてら連れていかれ、
まぁ飲み会でした。
一度相手のカオを見ておけば、
割とどんな無茶でも聞けるようになるし
聞いてもらえるようになる。

のは、仕事をする上でいいことなのですが、
会議に端から出席、
あらゆる企画に名前を入れられ、
夏までのスケジュールが組まれ、
あのぅ、私の契約は5月末まで
ではないのですか?

クライアントと別れた後、
社長とオオサトさんと3人で六本木のバーで飲み、
会社のこれからを話しているのを聞いている。
部長の退職を引き金にして
次々とスタッフが辞表を出している
のは森君から聞いて知っていた。

私は今
自分がどんなポジションにいるのか、
極力考えないようにしている。

社長はヒールに徹しているからある意味 楽 だ。
オオサトさんは部下の味方であり、経営者の片腕で、
そのどちらにも傾倒することなくうまくやっている。
やはり仕事のできる人だなと思う。

オオサトさんは若い
のに、ひどく疲れたカオをしていて、
強がったことを言っているけれど、
多分部長が抜けることが
一番堪えてるのはこの人だ。

帰りのタクシー、ぼんやりと窓の外を眺めながらも
よく喋るタクシーの運転手の相手をしているオオサトさんが
何だかひどく不憫に思えてきて

そういえば この前 手をつないだ時
やたら冷たくてびっくりした。

ベッドに潜り込んでまぶたが落ちるまで
私はずっとそれを考えていた。

マッカランが血中を巡っている。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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