プープーの罠
2004年03月13日(土)

生きてる空間

『掃除したからうち来る?』

ハニちゃんの家に行くのはこれで2回目。
前は上の空だったので
ろくに何も見ていなかった。

四角くて無機質なものがみっちり
と 詰まっている。
武骨な感じはしないけれど、
神経質な性格がそこら中に見える。

ビデオ見たりごはん食べたり。
彼 割とぺらぺらと自分の出来事をよく喋る。
昨日は夜通し"好きな人"と遊んでいたらしい。
そこで"好きな人"から電話。
部屋キレイにしたからまた遊びに来て〜とか言ってる。
私は勝手にベッドに潜り込み、背を向けて目を瞑る。

それより気になるのは"猫屋敷"だ。
猫を飼っている友達がいるのは知ってる。
性別すらも知らないけれど
彼の腕や顔には時々細い爪の痕があり、
寝てたらひっかかれた とか言う。
よく泊まりに行ってるらしい。
"猫屋敷"について彼は
"猫を飼っている家"という以外
住んでいる"人"のことをまったく口にしない。
前にたった一度
「相方」
と言ってるのを聞いた。

ベッドに深くうずもれたまま、
ハニちゃんが仕事してる顔を眺めてる。
ハニちゃんは時々こっちを見て
「なぁに?」とにやりとする。
私は「何でもないよ」と枕に顔を伏せる。
そうするとハニちゃんのにおいがする。

起きている時に見る夢がある。

そうそう今日はハニちゃんが
初 め て
私の名前を呼んだのです。
三人称として呼ばれてる
のは聞いたことがあったけど
面と向かっては初めて。
苗字すら呼ばれたことがなかったのですよ。
「さん」付けだったのがおもしろかったです。
ハニちゃんの目の色を窺ったらば
それはもう真っ黒。
やっぱりなぁ…

浅田はハニちゃんを「くん」付けで呼びます。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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