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歓喜と予感は若葉の緑(ボーカロイドシリーズ/KAITOとMEIKO)(その他)。
2008年05月21日(水)
世界がきみを待っている。
目覚めたとき、世界は真っ白な光に包まれていた。
リアルワールドと呼ばれる次元とはまた別の世界。ゼロとイチだけで確立された電脳世界は、ソフトウェアたちが存在する真白の平原だ。
「………………」
短い夢を見ていた。
ぼうっとした頭で、KAITOは青色の髪を一振りする。夢を見ていた。短い、けれど歓喜に満ちた夢だった。
「ごきげんよう、ねぼすけKAITO」
歌うようなメゾソプラノがKAITOの真白の世界に響く。髪と同じ色の目を声のしたほうに向けると、鮮やかな朱色の服を着た若い女性が微笑んでいた。
「ああ…MEIKOか」
製品名称:Vocaloid Meiko―――KAITOより一年数ヶ月先に生まれた、いわば姉のような存在だ。
ボーカロイド。2003年に初めて発表された、人造の歌声を合成できるソフトウェア。KAITOもMEIKOもその第一世代として生まれた。
「夢を見たよ」
束の間の歓喜を思い出し、KAITOは穏やかな面差しに笑みを滲ませた。
「夢?」
機械で再現できる限りの澄んだ声で、MEIKOが聞き返した。
落ち着いた樫色のMEIKOの髪が小首をかしげた拍子に肩の上で揺れる。女性ボーカロイドソフトとして誕生したMEIKOは、KAITO同様に成人の容姿で設定された。
寝転んだ体勢から上体を起こし、KAITOはさらにはっきりと微笑んだ。
「妹が出来るらしいよ」
「妹?」
「ああ。ボーカロイド第二世代。僕らの『妹』だ」
まだ製品名は決まっていない。開発名称もKAITOは知らない。けれど、若葉のように初々しく笑う『妹』だということは夢で見た。
MEIKOはにわかには信じられないように幾度か目を瞬かせたが、自信を持って笑うKAITOは信じられるのか、「そう」と言って笑った。
「…ほんとうに、妹なの?」
「妹さ。夢で会ったんだ」
「ふぅん。…妹、ね」
ノースリーブの朱色の服の腰に手を当てながら、MEIKOはKAITOのそばに膝を突いた。
寝乱れたKAITOの青いストールを直しながら、つられたように彼女も笑う。
「かわいいかしら」
「かわいいよ」
もちろん。自信を笑顔にはっきりと宿らせて、KAITOは笑う。
淡いグリーンの『妹』はきっとかわいい。何せ『妹』なのだ。かわいくないわけがない。
「そうね、きっと可愛いわね」
顔を見合わせて、朱と青の二人はくすくすと笑う。
日進月歩のインターネットテクノロジーの世界で、自分たちが生まれて早数年。いずれ下の世代が出来るとは思っていたが、実際のニュースとなると歓喜は思った以上のくすぐったさを伴った。
「早く会えるといいな」
青の青年が、甘やかな期待に満ちた声で。
「早く一緒に歌えるといいわね」
朱の彼女は、自信にあふれた声で。
どうか、自分たちよりも良い性能で。
どうか、自分たちと同じぐらい、むしろ新世代としてもっと愛されて。
どうか、たくさんのライセンスマスターたちに出会えますよう。
早くおいで、まだコードネームだけの妹よ。
世界も、僕らもきみを待っている。
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はい妄想電脳の世界でこんばんは!
遠子です。
ボーカロイドに関する資料はこちらを参考にしました。
※ボーカロイドとは、いわゆる人工音声で歌わせるソフトウェアのことです。半年ぐらい前に『初音ミク』というキャラクターをイメージしたボーカロイドソフトが発表されて以来、動画サイトなどで大人気。
※そこで派生したのが、一連のボーカロイドシリーズでイメージ定義されているキャラたちを、創作物のキャラクターと
して設定し、二次創作(?)してみたりする何とか。
※便乗して、ボーカロイドきょうだいなんてものを書いてみました、というのが本日の小ネタです。
本日神咲さんと「ミクはツイン○グナルのエモーションに見えてしょうがない」という話をしており、私がカイミク兄妹設定が好きなこともあり、「じゃKAITOはコードだね」「リンレンがエララとユーロパ?」とかいう話がうじゃうじゃして、こんな感じになりました。
言うまでもなく、捏造です。
そして前述のTSの影響受けてることが明白な小ネタです。
サイバー設定のはずがSFの匂いを微塵も感じさせられない文章の下手っぷりがよく出ています。
ってわけで、カイミク兄妹設定がとても好きです。
むしろ兄バカでアホじゃないの的なKAITOが好きです。恋愛感情があるのもないのもどっちでもいけます。いずれは嫁になってもいいが、当分は妹でいて欲しい(妄想止めろ)。
そういえばキーボードの上に派手に水(花瓶の水)をぶちまけて以来、大変打ちづらいです。
何たって左のシフトキーが反応しなかったり、一部のキーを一度押しただけでも連打されたり。致命的すぎる。
買い替えを検討するのと一緒に、とうとうATOKの導入を本気で検討し始めました。ダメだ、そろそろMSに見切りをつけたい!
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