先月、ヤン・ノヴァク・イェジョランスキというポー人が亡くなった。 ポーマニアなら誰もが知ってる、そして当然の如く私は知らなかった超有名な人物。ちなみに本名はヤン・ノヴァク・イェジョランスキじゃないのに、この通称ばっかり新聞に載ってる。芸人みたいだ。
1914年生まれで、戦時中は反ナチス(のちに反ソ連)の地下活動家としてロンドンの傀儡政府への情報運び屋をしてた人。ニオイでばれるからと、食べ物も持たずに船の石炭の下に隠れてストックホルムまで渡ったり。 (ここまで書いて、私の日本語の乏しさに気付いた。Courierって日本語で何て言うんだろ?辞書で引いても運び屋としか書いてないんだけど。) 戦後ポー国内では死刑判決が下されたのでロンドンに亡命して、BBCがやってたラジオフリーヨーロッパに携わる。 その後アメリカに渡って親ポー(もちろん反共)政策のためのロビー活動家となる。連帯の当時のリーダー、ワレサをアメリカに受け入れる根回しなんかもして。
ポーがEU加盟の時は調印メンバーで目に涙を浮かべたり。 やっと熱望のポーに戻る事ができて、その後ワルシャワ在住となり、ワジェンキ公園での散歩が日課となり。
まぁそんな人が先月亡くなったんですよ。 え? 簡略しすぎ? でも詳しくは私も知らんのですよ。 しかもこの経歴をポー語授業で聞いて、「ラジオフリーヨーロッパ」って言葉に異様に反応した私に先生が 「ラジオフリーヨーロッパについて何か知ってる?」 と訊いてきたんで、 「REMのデビュー曲!!」 とか答えて先生をがっかりさせてるし。いや、タイトルの由来なんかも知ってたんだけどね。
で、先生曰く、このヤン・ノヴァク・イェジョランスキは世代を超えて政党を超えて、ポーの国民的英雄なんだって。 「彼を悪く言う人は居ない!」と。
先生に「日本の国民的英雄は誰ですか?」と訊かれる。 世代を超えて、政治的イデオロギーも越えて、日本で英雄扱いされてる人。 う〜ん、天皇じゃcontroversial過ぎるし、誰か思いつく政治家って居る? 居ないよねぇ。 国民栄誉賞貰ってる人って、科学者とかスポーツ選手とか? でもイチロー(栄誉賞拒否してるけど)とイェジョランスキじゃちょっと活動内容に差がありすぎない? 柔道選手とかマラソン選手と、戦時中からの活動家でポーの民主化に人生捧げて来た人と、何か比べてはいけない気がしない?
ポーにはもう1人、ローマ法王という国民的というか、世界的な英雄も居るし。 敗北感に打ちのめされる。・・・ってほどでも無いんだけどさ。
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