「時」の記憶/BY.Yuzuki
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今日は、「地蔵盆」でした。
この「地蔵盆」というのは私が子供の頃から 母方の両親(私の祖父母)が毎年かかさずしている行事で
子供の頃は、親戚の子供がたくさん集まってのすごく楽しみな行事でした
本当は毎年8月24日がその日だったんだけど、 当時、子供だった<いとこ>たちも結婚して、小さな子供が出来て忙しく、人数も増えて
それぞれなかなか予定が会う日がなくなってきて
しかも、祖父がもう動けない状態なので少し早いけれど 今日の午前中に済ませてきました。
祖父の家で毎年、祖母の作る手料理で盛大に行われてた行事だったのに 今年は、そそくさと、お祈りをすませ、スイカと麦茶をご馳走になり、
皆それぞれの生活に戻っていきました・・・・
祖父の家に息子と行くと、いとこの子供(男の子で約二歳息子より年下)も丁度来たところで、 息子とはかなり大きさが違って面白かった。
そして、祖父は・・・・
もうベッドに寝たまま起きられない状態でした
ついこないだまでは自分で立って、少しだったら近くまで散歩も行けたほどだったのに・・・
祖母が涙声で 「柚月ちゃん、そばにいってあげて・・・ おじいちゃんもう、ほんまに弱ってしもてねぇ・・・ 柚月ちゃん見たらびっくりするよ・・・ おじいちゃん、会えるの楽しみにしてはったんよ・・・ ごめんね。おばあちゃん、すぐ泣いてしもてごめんねぇ・・・」
って私の背中をそっと押した・・・
まず足が見えた・・・・ そして、身体・・・・
とても小さくなった気がした・・・・
祖母が「おじいちゃん!柚月ちゃんがきたで!!」 って大きな声で言ってやっと、ふと我にかえったみたいに
細くて血管がすごく浮き出た手をタオルケットから出してきた・・・
すぐに握ってあげた。 ・・・・思った以上に冷たくてびっくりした(いつも暖かかったから)
まともにご飯も食べれなくて、本当にやせてしまった顔・・・ 見たとたん涙があふれた・・・
もともと無口であまり話をしない祖父なのに (でもすごい優しいおじいちゃんです) たくさんたくさん、私に伝えたい事があるみたいで 小さな弱々しい声で 私の手を握ったまま ひっきりなしにしゃべり続ける・・・・
「おじいちゃんなぁ・・・もうこんなになってもうて・・・・ 今年いっぱい生きてたらいいねんけど・・・・・ そしたらなぁ・・・92歳なんや・・・ でももうあかんかも知れんわ・・・ 柚月、よう来てくれたのぉ・・・ 待っとったんやでぇ・・・ありがとうな・・・・ 何度も病気で入院した時、何度もお見舞いに来てくれてありがとうな・・・ 嬉しかったで・・・・ ○○(息子)は、今日来てないんか?」
「来てるよ!!あとでこっちに連れてくるからね!!」
「そうか・・・あの子は生まれた時から大きかったから・・・ 柚月も苦労しとるやろ・・・頑張って育てるんやで・・・・ ○○くん(旦那)は今日はどうしてるんや?」
「今日も仕事やねん・・・ごめんね。○○も来たいって言ってたんだけど どうしても休めなかったから今度一緒にくるからね!」
「そうか・・・長生きして頑張れよ・・・・ 今日はほんまにありがとうな・・・・また来てくれよ・・・」
何度も何度も同じ事を言ってた・・・ 泣いてた・・・・ 私も泣いてしまって、うなずいたり手を握り返したりするので精一杯。
でも、ちゃんと私の声も聞いて欲しくて私が話さないと駄目なところは 大きな声でちゃんと言った(耳がほとんど聞こえないから)
息子は、はじめ「誰か寝てるからいやーーー(><)」とかゆうてたけど 私が、「○○のひいじいちゃんやで!ちゃんと握手してこなあかん!」 ってしかると、 怖がってたけど自分から祖父のそばまで寄って 自分から祖父の手を握った・・・・ そして、「こんにちは!ひいじいちゃん!きたよ!」って(^^;
帰る時も、「ひいじいちゃんにちゃんと挨拶しないと帰らないよ!」 っていうとちゃんと祖父のところへ行って
「あした、またくるから!」って(^^;何度も言ってた。
お母さん(私)毎日だと目が腫れまくるかも・・・苦笑
今月の日記(8月1日)「祖父の手」以来、 祖父の事は私の中で随分、覚悟が出来てきたというか、 あの日記を読んで励ましてもらったお陰で 祖父の事を考えても泣かなくなってたけど 今日はまた駄目になってしまいました・・・・
「死ぬということ」すごく怖いと思う。 もし自分だったらと思うと、本当につらくて・・・
でも誰もが絶対「死」を体験するんだもんね・・・ その時は事故や天災じゃないかぎり、たぶん「一人きり」で・・・・ 見守られる中、死んでいけたら幸せかな・・・ 死ぬってどんなだろう・・・
また怖くて仕方ない気持ちで一杯・・・
人って悲しいね・・・ でもきっと魂は残るんだよね・・・・
もしおじいちゃんがいなくなっても強くなるね。 きっときっと強くなる。 命を引き継ぎながら・・・
でもでも!!
大好きなおじいちゃん、また会いにいくから・・・ どうか それまで待ってて・・・
柚月
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