痛み
あの年、27日の23時ごろから
押し問答が始まった。

行くから
来なくていい
もう車に乗った
勝手にすれば

28日になり彼が部屋の近くに着いたのは夜明け前。
通りに停めた車と彼の横顔を思い出す。

あの日からいろいろなことがあり、
これからもいろいろなことがあるだろう。

食事の最後に彼が頼んだ自家製プリン。
彼は必ずデザートを注文する。
部屋に戻り、冷凍室のウォッカを飲もうとしたけれど、飲めなかったね。

今年初めての寝苦しい熱帯夜だったけれど
やはり私たちは熟睡した。

彼が白髪を抜いてくれた。
無数にあるらしい。
この1年で急激に増えたみたい。

指を揃えて、縦にして3本から4本、すんなり入る大きさに
口を開けられるのが普通なのに、今は2本でも痛い。
顎関節症とは無縁だったけれど、どうしてだろう。
片側だけが痛む。
先日の地震の日からなのでストレス。
同じ半身が痛んだままなので、ついに。
素人判断は控えて主治医に尋ねないと。

彼が部屋に入ったとき、私の顔を上げてキスしようとした。
私は痛みで顔を上げられない。
背中から肩、首にかけて、顔を引き上げようとすると痛みが走る。

全身ガタガタ。
本当に明日はない。
私を突き落とした張本人は彼。
だから今回は、私の我儘を聞いてくれた?
それとも彼が以前より深く反省した?
二度と私を失いたくないと彼は言った。
なのに傷つけられる回数は、まだまだ多いね。

痛みは嫌い。
身体の痛みより、心の痛みのほうがずっと嫌い。

2005年07月28日(木)

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