どうしても逢いたい
仕事中、何度もメール。
彼がどうしても逢いたいと書いてきた。
今、私は忙しい。
今週中に仕上げないといけない仕事がある。
電話していいか?とメールが来る。
私は短い返事しか送れない。
少し考えさせて。
もう少し待って。
あと、30分。
30分が40分になっても、
仕事は終わらなかった。
そして、1時間近く経った頃、ようやく今日の分は終了。
帰り際になって、社長に単語の綴りを尋ねられる。
私は早口になって、それでも答える。
それで合ってるの?
合ってるよ。
言いながら辞書で確認。
ほら、合ってるでしょう。
また帰ろうとすると、綴りを尋ねられ
同じことを繰り返した。
彼からのメールの合間に、息子からも電話が入った。
すぐに出られずに、かけなおす。
疎遠になっていた友達から、前の家に電話があったらしい。
私と連絡が取れないと前夫に告げたようだ。
彼女の電話番号は、どこかにあるはず。
彼は、何度もメールしてくる。
ばたばたと会社を出た。
帰りに買い物をしようと思っていたのに、予定変更。
ポケットにケータイを入れ、いつかかってきても
出られるようにして、部屋に急いだ。
部屋に戻り、ケータイを取り出すと着信あり。
彼からの電話。
ように逢いたい。
どうしても逢いたい。
メールの切羽詰った様子は、電話では少しまし。
仕事が忙しいなら、かまわないよ。
今度は、いつ逢えるかわからない。
はっきり予定が立たなくてごめんね。
こう聞いたのは数日前。
一瞬、断ろうと思った。
私がどうしても逢ってほしかったとき、彼は
無理だと言ったじゃない。
そんなお返しのような台詞が浮かんだ。
だけど、こんなふうに突っ張ったら、きっと後悔する。
だから明日、彼を迎えに行く。
・・・友達の電話番号は、また今度探そう。
仕事は、明後日から深夜残業覚悟で。
2005年05月16日(月)
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