観桜










桜を観に行った。
風が強く、花びらが舞う。
花弁が落ちて、葉桜になりかけていたものもあった。
ソメイヨシノが多い中、この桜は白雪という。
名前の通り、白い花弁が手まりのようになっていた。











人が歩き、車座になって宴会をしているのは
ソメイヨシノの並木道。

この街灯に灯がともるのを観てみたかったが
埃と熱気に負けて早々と退散。

強い風と、今夜半から降り出す雨で
散ってしまうだろう。


私が桜を撮るのは久しぶり。
息子が小さい頃は門柱に立たせて、桜と共に撮った。
実家の桜は、私のために祖父が植えたもの。
あの桜を思い出す。
観桜は風流。
だけど、あと1週間もすると、毛虫がぞろぞろ。
柔らかい葉を食い散らし、桜の甘い香りが漂いだす。
そして雨の日が続き、アスファルトに貼りついた
茶色く枯れた花びらは、無残。
それを知らないふりをし、人は酔う。
桜に酔い、酒に酔い、儚い命に酔う。
人は身勝手なものだと、つくづく感じる。

*** *** *** *** ***

夕食を済ませてすぐに、ヤマから電話。
ヤマは新宿御苑での花見の帰り。
待ち合わせの場所で、デキアガッているヤマを発見。
昼の1時から飲んでいたらしい。
適当に歩いて焼き鳥屋に入る。

5年後生存率が40%足らず。
その恐怖と共に丸4年。
あともう少しだと話し合う。

今週、切開すると言うとしかめっ面。
ヤマの血管は、点滴や注射でボロボロになり
血管が出ない状態。
深刻になりかけた話から一転、血管が出ないのは
脂肪のせいもあるかもよ、と笑わせてしまう。

女性特有の癌、男性特有の癌。
それを患った私たちは、会うといつも笑わせ合う。


2005年04月10日(日)

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