生と死
どこかの誰かが書いていた。
「死にたい気持ちが強くなってきた。まずい!
睡眠薬を多めに飲んで寝てしまおうっ!」

読んで思った。
死にたいのか死にたくないのか、どっちなんだろうと。
死にたい→死ぬことはまずい→睡薬服用→寝る。
死にたいのに、頭のどこかで死ぬのはいけないことだ
と考える。
だから寝る。寝るのには睡眠薬の助けが必要。
だから飲んででも寝る。
欲求としては死にたい、思考としては死んではいけない。
不思議な話だと思う私は間違ってるんだろうか。

***  ***  ***  ***  ***  

敬老の日、高齢者の割合が10人に一人だとか二人だとか
の記事を読んだ。
大昔観たSF映画を思い出した。
未来の地球なのか、その惑星には老人がいない。
一定年齢以上の人間が存在しない。
人は人工授精による器械での誕生で、集団で保育されて
成人するから父親、母親の概念はない。
ましてや祖父母がいるわけもない。

ある日、ある人間が不思議に思った。
 自分は今、○○歳だ。だけどxx歳以上になったら
 どうなるんだろう。
 そういえばxx歳以上の人間に会ったことがないぞ。

彼は周りにあれこれ尋ね調べる。
わかったことは、孵卵器?から出産した時点で
全員にIDチップが埋め込まれる。
それによって個人の行動、生まれてから何年経過したか、
とにかく全てが管理される。
偶然に「老人」と思われる写真を見つける。
顔には皺、髪の毛は白髪。皮膚は枯れている。
彼にとっては同じ星の人間かどうか疑ったほどの
未知の生物だ。
調査結果が出る。
その星の人間は、一定以上の年齢になると「処理」されて
いた。
過去に人口爆発が起こり、そのままでは人類全てが死滅する。
この経験を踏まえ、その星の政府が総番号制を導入、
生死の管理をしていた。

記憶が曖昧だけど、実は「処理」ではなくその星から
他の星へ移住していたという結末だったかもしれない。

***  ***  ***  ***  ***

個人の生死は個人が決める。
生きたい者は生き、死にたい者は死ぬ。
管理された生殺与奪は反発するけれど
生きたい希望が叶えられるなら
死にたい希望が叶ってもいいと思う。

生きたいのに、死ななければならない人がいる。
とても不幸だ。
死にたいのに、生きなければならない人がいる。
口にすると贅沢だと言われる。

こんな話をして、賛成だと言ったのは過去一人。
どこかの宗派のお寺の息子だった。

君に話すと、おおかたの反応と同じでぎょっとしたね。
生きることが大前提で、生きるために馬車馬のように
働いている。
10代の頃から、こんなことを考えている私とは違って
君は健全な精神を持っているということになるのかな。

2004年09月28日(火)

初日 最新

Copyright(C)2004- you All Right Reserved.