旅かもしれないものの区切りに
少し前から、中島みゆきの歌詞の一部が
リフレインしている。
聞き始めのとき、冗談交じりに君に言った。
そっか、私はまだ旅の途中なんだ
何、言ってんだよ
笑いながら言ったから、会話はそこでおしまいだった。
だけど、ずっと歌が繰り返し流れてくる。
珍しく風邪をひいたみたいで、頭が重い。
ぼーっとしたまま、けじめをつけないといけないと思った。
けじめというか、一区切りというか
とにかく、私が何故ここにいるか、どうして戻らなかったか。
事実を全部書けないなりに
きちんと説明しなければいけない。
あの子には聞く権利がある。
私がうやむやにしたままの義務。
あの子からは、全く連絡がない。
無言の非難だと思う。
前の場所の異邦人気分は、ここでは感じない。
何かあれば、すぐに逃げ出そうと構えていたけど
それもなくなった。
これも書く気になった理由の一つ。
拙い子供の言い訳のような書き方になった。
偉そうに書きたくなかったし、ごまかしや、大人の事情を
振りかざしたくなかった。
読み返すと幼稚園児が書いたような文章になった。
便箋3枚に、心配させないように、言葉を選んだ。
書こうと思い出したのは、3ヶ月単位のカレンダーを
見たから。
11月のカレンダーを見て、驚いた。
もうすぐだと思った。
こんなに早く、日が経っているのに驚いた。
だから必死で書いた。
私には珍しく、暗喩も皮肉もない文章。
二重三重の意味はなく、思ったそのままの言葉で。
自分の気持ちばかりを押し付けてくる
あんな親にはならないように。
何度も、ごめんなさいを書いた。
旅の途中ではないと思いたい。
でも、ここが終の棲家とは思えない。
だけど、今、いるのは、ここだから。
2004年09月11日(土)
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