青葉のころに吹くやや強い風
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2009年06月09日(火) 【実況】そして出産

【説明1】
 2009年06月09日午前09時49分、3,000gの元気な男の子を出産しました。
 エンピツは更新できませんでしたが、
 mixiで実況中継をアップしていたので(今思うと我ながらアホかも…)
 エンピツにも転載しておきます。

【説明2】
 以下は「過去あったことの実況」という意味で【過去実況】として書きました。
 いま思えばちゃっちゃと記録しといてよかったと思う。
 あんなに痛い思いをしたのにコロッと忘れかけてる自分にびっくりなので。

***

【過去実況】短い眠りから醒めたらそこは 2009年06月10日22:54

長い長い陣痛地獄でございました…
↑ナレーションは宮本信子@大河のナレーターでよろしく。



自室に戻ってベッドに横になったのが多分0時半くらい。
母親が簡易ベッドを部屋に入れて、電気消して寝ました。
一応枕元の明かりはつけたままで。

そして割と深く眠ったらしく、
ふと目覚めたらあたりが明るいもんだからてっきり朝かと思ったくらい。
…枕元の明かりだったんですがね(;´Д`)

で、なんで目覚めたかと言うと、陣痛が再び起こり始めたから。
痛いなーでも母親起こすのもなーてかむしろ看護婦さん呼ぶべき?
とかいろいろ考えました。まだこのときは余裕があった。

逡巡していると、午前1時半?2時半?くらいだったかな?
ガン!って音がしてドアが簡易ベッドに激突。orz
母親がドアを塞ぐようにしてベッドを設置していたのでした(T▽T)
飛び起きる母。説明不足でしたねすみませんと詫びる看護婦さん。
いや多分母が理解出来てなかっただけだと思(ry
(ちなみに簡易ベッド設置時、私は陣痛に襲われてたので…)

で、看護婦さんに
「陣痛どうですか?」と訊かれたので
「ちょうど痛みが復活してきたところです」と答えました。
じゃあまた来ます、耐えられなくなったらナースコールしてくださいね、
と言って看護婦さん退散。ええー(T▽T)
(確かそんな感じだったかと。この辺記憶がすでに朧気…)


そして陣痛との本当の戦いの始まりですよアナタ!

明け方かと思ったら違って夜中で、最初はまだ良かったの。
それなりに自力で耐えられたから。
母親に「いいよ少しでも寝てなよ」と言う余裕もあった。
しかし痛みの間隔が3分置き程度になってそのたびに


ふぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ
ふぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ
ふぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ
↑いきみ逃しの呼吸

って聞かされちゃ母親も眠れんわな(;´Д`)
結局起き出して「大丈夫?」「腰さすろうか?」などと
いろいろフォローしてくれました。
陣痛中は本当に付き添いがいてくれて助かった。
私ひとりじゃとても無理だったよ。

だんだんと強くなってくる痛みに私も徐々に恥と外聞がなくなってきます。

「痛いぃぃぃぃぃ」
「代わってぇぇぇぇ」
「なんで私ばっかりぃぃぃぃ」
「もう嫌だぁぁぁぁ」
「腰が痛いぃぃぃぃぃ」

みんなそうやって産まれてきたし産んできたのよあんただけじゃないのよ、
と言われたが受け入れる余裕は皆無。

続く。

***

【過去実況】陣痛は続くよどこまでも 2009年06月10日23:29

時間は不明ながら、その後看護婦さんの見回りあり。
(注:あとから考えると助産師さんでした)
自室に戻る前、陣痛室で内診してくれた人でした。

「陣痛来てる?」
「来てます痛いです」
「排便みたいな感覚はある?」
「?それはないです。腰が痛いです」
「なるほどね〜…でも赤ちゃんはまだ下がってきてないね…」
「…(´・ω・`)」
「熱っぽい?」
「そうですね」
「破水してるからね…ちょっと抗生剤のテストをして問題なければ点滴します。
 あと長引くようなら薬を使って誘導陣痛(だったかな)するかも。
 羊水に雑菌が入ったりしてお産が長引くと危険なので…
 ただお薬だから副作用、吐き気とかね、それがあります。
 だからそのときは同意書にサインが必要になりますが…まぁ朝になって先生の診察次第ね。
 一応そういうことがあるということで」

私は妊娠してからいろいろ知識を仕入れたので抵抗はなかったのですが
私を産んだときに陣痛促進剤を使われてしんどい思いをした母は

「なんで内診で破水起こしたりしたのか。
 副作用が起きるかもだなんて…」

と憤り半分不安半分で看護婦さんが去った後言ってましたが、
私にしてみれば自分はもうまな板の上の鯉状態だし
副作用だろうがなんだろうが
とにかく無事に出産してこの痛みにおさらばできればいいわけで
大体ド素人なんだからそれがなんであれ
プロの示した最良の案なら全幅の信頼を寄せてお願いすべきだろ!?

と、そんなことをまくしたてたような…
大体破水が起きたのは内診のせいじゃなくて、
その前に微量ながら「ん?」て水の流れる感覚があったんです。
だから内診はあくまで刺激で、破水自体は遅かれ早かれ起きてたと思うし。
つーか

「人が痛みで苦しんでるときに選択の余地のないことについて
 ゴチャゴチャ言わんといてやゴルァ!」

てのが本音だったんだけどね

結局抗生剤については問題なかったので点滴導入になり
(わぁ点滴初めてだと思う余裕はまだあった)
胎児の心音モニターも装着して引き続き陣痛との戦いです。

看護婦さんたちは一度引き上げたのでまた母との二人三脚。
痛みがあるときはホント
「痛い痛い痛い腰腰腰腰腰さすって!押してもっと押してー!」

となりふり構ってられないのですが、収まったら

「ごめんねごめんね。しんどいやろうにごめんね」

と気遣いすらできる余裕が産まれるこの不思議。
数分とはいえこの無痛時間は貴重でしたわ。
なかったら死んでる。

***

【過去実況】陣痛本番 2009年06月11日00:11

陣中の痛みと書いて陣痛。まさに。


ってあとで思いました。

明け方になって看護婦さん再び登場。
もうね、この頃になると本当に余裕なくて余裕なくて。
母親相手の時は痛みに任せて泣いたり痛い痛い言えてたけど
看護婦さんたちには言えてなかったんです。
まだ見栄と恥と外聞を気にする余裕があったというか。

しかしもうそんなことは考えられないくらい痛くて
「痛いですーーー!腰がーーー!」
って泣きつきました(>△<)本当に痛かったんだもん(ノ_・。)

しかし返ってくるのは非情な現実。

「うーん、でも赤ちゃんさがってないんだよね…
 排便みたいな感覚はある?」
「ないですぅぅぅ(泣)腰が痛いんですぅぅ(泣)」
「そうだよね、腰が痛いよね。
 あ、じゃあ座ってみようか?あぐらかける?
 座ったほうが痛みが和らぐかもしれないし
 赤ちゃんもさがりやすいだろうから」

…さすがプロ。やってみたらその通りでした。

動くのは心底痛くてつらかったですが、
でもあぐらかいて座ったら今までとは段違いに楽。
看護婦さんが去ったあと母親に「早くこうすれば良かった…」
と思わず呟いたくらい(^^;)
点滴してたしモニターをお腹に巻いて寝てる状態だったから、
あぐらなんて考えもしなかったんだよね。

ベッドの上に円座クッションを置いてあぐらで座って、
ベッドの上部を持ち上げて(フランスベッドだったの。電動の)
背もたれを作りました。
腰には枕、背中にはクッション代わりに掛け布団をセット。
目の前には突起付きのバランスボールを看護婦さんが置いてくれました。
前かがみの姿勢が楽なこともあるから、ということで。


それからは少し意識が朦朧としてました。
眠いのと、あぐら姿勢が功を奏して
母親のサポートなしでもいきみ逃しが出来るようにもなったので。

だんだん外が明るくなってきて、朝食が来て母親だけ食べて、
父が出勤前に覗きに来たのと
我が旦那さんがなんと今日から4日間休みをもぎ取り今朝8時の便でやってくる、
ついては空港まで迎えに行くか?いや最寄り駅までは自力で来るだろ、
という会話をした覚えがあります。

あぐら姿勢の間は「私はいま修行中」と妄想し

「明鏡止水の心を保て」
「誰かの痛みを一時的に請け負ってるだけ」
「もしくは自分の痛みを誰かに渡してて感じてるのは一部だけ」
「この痛みは錯覚。夢」

とか考えてました。
…思考回路ショート寸前。

***

【過去実況】分娩室に行こう 2009年06月11日00:41

あぐらで妄想はそれなりに効果がありましたが、
そのうちにどうしても逃せない「いきみ」が始まっているのに気づきました。
逃そう逃そうとしてもどうしても下腹部に力がいってふるふると震えてしまう。
だめだ、これじゃ怒られるってかいきんじゃだめなのに、
と自分で叱咤激励するも意に反してしまうのです。

父が「じゃあ仕事行くけど頑張れよ」と言って去った頃だから8時半くらいかな?
看護婦さんや助産師さんが2、3人来て状況を訊かれました。
またしても「排便みたいな感覚ある?」と。

ぶっちゃけそれまで「なんだよ排便みたいな感覚って」と思ってましたが、
そのときようやく、
この「どうしても逃せないいきみ」がそれだわ、と気づきました。

で、それを伝えると
「じゃあ陣痛室行く?もう診察行く?」
「診察直接が良さそうよ」
「じゃあ車椅子持ってきます」
とテキパキと動き出す助産師&看護婦さん。

「いよいよ分娩室だからね。一度下に降りて診察したら分娩だよ。
 先にトイレ済ませようか。痛みのない隙にしよう。
 ゆっくりでいいよ。うん。痛いよね。でももうすぐだよ」

本当に痛くて痛くて動きたくなくて
診察すっ飛ばして分娩室も行かずにここで産ませて!
って心境でしたがさすがに助産師さんたちはプロ。
言葉のひとつひとつが胸に染みて励まされた。
しかも指示や励ましの言葉がすべて的確。
心底「この病院で良かった!」て思いましたよ(涙)

診察のためには1階に降りなくてはならないため泣きそうでしたが、
車椅子でなんとか移動。
診察室に入る際立ち上がる気力も乏しかった私に
「あともう少し!」と厳しくも言ってくれた看護婦(注:実は助産師)さん、
本当にありがとうございました。
あの厳しさがなかったらその後の分娩無理だったかも。

診察は子宮口が全開なのを確認してすぐ終了。
「赤ちゃんさがってきて入り口近くにいるよ」と言われたときはびっくりした。
明け方の頃はまだ動いてる感覚あったもんなぁ。

しかしそれで「あと少し」が実感できて、最後の気力が湧きましたよ。
再び車椅子に乗って2階の分娩室へ。
ここが分娩室…!と感慨に浸る余裕なんてあるはずもなく(T▽T)
この期に及んで自力で立って分娩台に寝てと言われて絶望的な気分でしたが
ゆっくりでいいゆっくりで、と皆さんに励まされて頑張ったよ私(涙)

おそらくこの時点で6月9日午前9時半前。

いよいよ出産です。

***

【過去実況】6月9日午前9時49分 2009年06月11日01:05

分娩台に上がると、もうほとんど目は閉じたままでした。
耳に聞こえる助産師さん看護婦さんの指示に従おうとするばかり。
感覚で、忙しく立ち回ってるのだけはわかりましたが…
「〇〇用意して」「先生呼んできて」とか。

途中看護婦さんに「お母さんに立ち会ってもらう?」と訊かれましたが
無言で首を振りました。
ここまで付き合わせておいて悪いな、と思ったけど
正直余裕なかったしなんか見られたくなかったし(>_<)
旦那が来ていても断ってたな、とぼんやり思ったよ。

「両側の手すりを握って、肘を外側に張って、そうそうそんな感じ、
 それから排便の時みたいに下腹部に力入れて」

助産師さんに言われてその通りにしようと頑張ります。
が、最初はよくわかんないし最高潮に痛い下腹部に更に力入れろって無茶言うな!
って感じでした。
息を吸って力むも「う゛ーーーーーーー」と声がでる。

「ああダメよ〜それは声だけだよ〜力入ってないよー
 声を出さずに力を下に入れてみてー
 赤ちゃん出てくるよ〜」

声が出たらダメ?てことは出さなきゃいいんだな?息を止めて下腹に力ね?

「そうそうそう上手上手!
 ほらもう少し!頭見えてきたよ!」
「目を開けてごらん、…ほら出てきてるよ」

言われて目を開けたら、今まで膨らんでた腹がぺしゃんこになって視界が開けていて
開いた両膝の間からヌメヌメしたものに包まれた何かが見えました。










…なんだ、やっぱり鼻ペチャじゃないか(笑)


午前9時49分。3,000gぴったり。

お外へようこそ赤子ちゃん!

***

【過去実況】皆様に心から深い感謝を 2009年06月11日01:36

(注:ウェブ上での赤子のHNは「ドナルド」にしました。
   6月9日はドナルドダックの誕生日なんだって♪)

無事にドナルド(仮名/青嵐第一子)が出てきたとき、自然と

「ありがとうございました」

って口をついて出てきました。
もうね、関わってくれた先生助産師さん看護婦さんすべてに頭下げて回りたかった。
本当にありがとうございました。無事出産できたのはすべて皆様のおかげです。

ドナルドが出たあと、またぬめっとした何かが出てきた感触があって
「あっ胎盤!」とわかりました。
実は見てみたかった、というのは内緒です。
そのあと「麻酔するよ〜」と言われて何度かチクッとしましたが
出産の痛みに比べれば象と蟻くらいに小さな痛みでした。

ヌメっとしたドナルドは身についた血やら何やらを吸い取られ、
体重をちゃちゃっと量ったあと私の左胸に載せられました。
私にきちんと顔を見せるためと滲んできた初乳を飲ませるためですが、
あんまり上手くは飲めないみたい。まぁ生まれたてだもんな。
間近で髪を見て天パか?と思ったりやっぱり鼻ペチャ…あれそうでもない?
とかそんなことを思ったよ(笑)

赤ん坊を見てる間、何気に会陰を縫合されてましたが、あれはいい手ですね(笑)
麻酔されてるからそもそもそんなに痛くはないけど、
赤ん坊に見とれてると尚痛みを忘れられます(笑)

いつの間にか母親が入ってきてビデオ回してました。
そういや「お母さん入ってきていい?」って訊かれて頷いたかも。
最初はビデオなんていらないと思ってたけど
旦那にもこれで出産直後の様子を見せられるし、良かったです。



そして私は指示通り1日体を休めたのでした。
腰が痛かったり会陰やお尻が痛かったり、
破水の影響か微熱が出たりはしましたが、まずまず健康です。
ドナルドも健康そうです。




実況読んでコメントくださった皆様、本当にありがとうございました。
後半は過去実況の通りだったのでケータイ開くことすら無理でしたが、
前半はコメントを読んで励まされてました
本当に、心からの深い感謝を捧げます。



母親にはなりましたが青嵐は変わらず青嵐です。
今後ともお付き合いよろしくお願いいたします。

***

以上mixi掲載分でした。

旦那は正午過ぎに病院に到着し、出産には間に合わなかったものの
生まれたての息子を見ることが出来ました。
見た瞬間から父性爆発って感じで(笑)こっちは笑っちゃった。

私のほうは、…正直産んだからってすぐ母性が溢れ出るわけでもなく、

「なんだこのちいさいいきものは…」

って感じでした(そしてその感覚は数日続くことに…)


面会時間が終わる頃、母上がお赤飯を少し持ってきてくれました。
お惣菜コーナーで買ったものだけど、嬉しかったです。

食べながら少しうるうるしてしまった。
私が親になったんだなぁ。実感無いけど、子供産んだんだなぁ。
ぺったんこではないけど、お腹ぺしゃんこになったもんなぁ。

これから未知の世界の幕開けです。






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