ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2021年12月24日(金) 鶏肉事情

夕方からぽつぽつと雨が降り始める。

幸い気温が高めで春先の雨のように暖かくなった。


最強寒波は日曜日から月曜日にかけて襲って来るとのこと。

先ほど市の無線放送で水道管の凍結に注意するよう呼びかけがあった。

どうやら逃れられそうにもない寒波に身構えるばかりである。



クリスマスイブ。仕事帰りに「ちきん館」で「丸っぽ鶏」を買って来た。

ローストチキンで鶏を丸ごと焼いたもので少しグロテスクだけれど

香ばしくてとても美味しく「ちきん館」の看板商品でもある。


娘がいそいそとパーティーの準備を始めていたけれど

結局今夜もじいちゃんと二人で先に食べてしまった。

娘達は家族水入らずで未だに食卓を囲んでいるようだ。


私は子供の頃から鶏肉が大好物で

新婚当初はそれが食べられずひたすら我慢をしていた。

嫁いだ家は鶏肉に限らず肉類を食べる習慣がなかったのだ。

郷に入れば郷に従え。肉を使った料理などもっての外で

姑さんから夕食の支度を頼まれるのもまるで試練のようなこと。


ある日のこと妊婦健診で街の産婦人科へ行った時

とうとう我慢できなくなり鶏の足の唐揚げを買って帰る。

もちろん自分一人でこっそりと食べるためであった。

久しぶりに食べる鶏肉のなんと美味しかったことだろうか。


しかし身は食べ尽くしても骨が残ってしまうのは当然のこと。

私はその骨をどうやって隠すべきか真剣に考えていた。


当時はまだ市のごみ収集など行われておらず

家庭ごみは各自が焼却して処分するのが習いであった。

紙類と一緒に燃やしても骨は残るだろうと思われる。

「この骨は何の骨だ」と姑さんにきっと見つかるだろう。


散々考えたあげく私は畑の隅に穴を掘って埋めることを思いつく。

それも姑さんの目を盗みつつの至難の業であった。

それからしばらくは見つかりやしないかと不安でならず

畑仕事をする姑さんの姿をはらはらしながら見ていたのだった。


食べたい物が食べられるようになったのは息子が生まれてからだった。

お舅さんが離れの部屋に小さな台所を作ってくれたのだ。

もう母屋の食事を任されることもなくなり

やっと「家庭」らしきものが出来る。

鶏肉も牛肉も豚肉も思う存分に食べた。






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