2019年11月15日(金) |
振り向けばいつも父がいてくれる |
予報通りに冷え込んだ朝。きりりっと冷たい。
それでも窓をあけて夜明け前の月と星を仰ぐことが出来た。
真っ暗闇ではないことがとてもありがたく思える。
寒さイコール死などと不安がっている自分のなんと愚かなことか。
父の命日。もう16年の歳月が流れてしまった。
独り暮らしのアパートで孤独に死んでいった父。
その時私の名を呼んだのだ。それは午後6時半のこと。
私は時計を見ていた。父に電話してみようかなと思ったけれど
家事に追われていてまたそのうちにと思いとどまったのだった。
24時間後、父の友人から知らせがあり父の死を知る。
死後丸一日が経っていた。なんと惨い最期だったことだろう。
父の遺体に寄り添って一夜を明かしたことは一生忘れられない。
もうすっかり冷たくなっているはずの父がとてもあたたかだった。
そのあたたかさは今もずっと私の側から離れずにいてくれる。
父が見守ってくれているのだ。なんと心強いことだろう。
くよくよする時もあるけれど弱音を吐く時もあるけれど
振り向けばいつも父が微笑んでいてくれる。
「おまえは強いんだ。だから大丈夫。負けるなよ」って言って。
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