夜明け前まで雨が降っていた。ぽとんぽとんとまるで命の音。
昨夜のつかれがあったのか少し気だるい朝だった。
さあ月曜日と気負う事もなく山里の職場へ向かう。
雨あがりに道ばたの民家の紫陽花がとても鮮やか。
お遍路さんも何人か見かける。気持ち良さそうに歩いていた。
仕事はそれなりに。同僚は出張修理で出掛けていたので
独りきり。来客もなく閑古鳥さんの鳴き声が聴こえてきそう。
幼馴染の友のお父様が亡くなりお葬式もあった。
義父にお香典を頼み参列はしなかったけれど
子供の頃からとても可愛がってもらっていたので
しんみりとしながら思い出をたどるばかり。
秋には友の三回忌だった。親よりも先に逝ってと
嘆いていたお父様の悲痛な顔が忘れられない。
お母様は施設に入居されているとのこと
娘を亡くし夫を亡くしどんなにか辛いことだろうか。
永遠の命などない。私だってどんなに願っていても
遅かれ早かれお迎えがやってくる。
明日のことがわからないからこそ今日を精一杯に生きる。
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